お金をちゃんと考えることから
逃げまわっていたぼくらへ。

第8回 子どもにはぜいたくを教えるべきです。


2月6日(火)の朝、この対談本の値段が決定したよ。
速報・・・『1300円+消費税』になりました!!!

つまり、書店で買うと1300円+消費税の1365円なので、
「ほぼ日」での国内送料無料のご購入の際には、
「1冊税込み1400円の郵便振込み」とお考えくださいね。
(※外国からご注文のかたには、地域別に、後日
  詳細を記したメールでお知らせをいたします)

ほぼ日としては、
最初に想定していた1500円よりも、
消費税を入れても少し安くなって、
よかったなあと思っているところです。

発売日は、どうも2月26日になりそうです。
発売後、なるべくはやく、
あなたのもとに直接届ける予定ですので、
予約された方、首を長くして待っていてくださいね。

「あ、値段決まったんだ。私も買おうっと」
と思ったかたは、このページの下のほうに、
メール予約について記しましたので、
そちらをご覧くださいませっ。

・・・では、今日の立ち読み部分です。
邱さんのお金観が、具体的に垣間見られますよ。

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【子どもには、ぜいたくを教えるべきです。】

糸井 よく「子どもがものを欲しがる」と言いますが、
やっぱり子ども側にだって、
多少の遠慮があるとぼくは思います。
親に対する気づかいというか。

人間が「むやみに欲しがる」ということは、
基本的には、あんまりないんじゃないだろうか?

とぼくは思っていまして……。
だから、そんな中でも欲しがっているぶんだったら、
それはほんとうに欲しいのだろうと思って、
基本的には、買ってあげていました。

でも、考えてみると、
自分でもそんなにお金に困った覚えが、
実はないんですよね。

お金が欲しい欲しくないというのは、
気持の持ちかたなのかなあとも感じます。
だって、ぼく二十三歳とか二十四歳の頃に、
俺はもう金持ちだ、と思っていましたから。

その頃、すでにもう「足りている」という意識が、
いつもあったんです。

思えば、その頃からあまり
「お金に困っている」というイメージがないまま
「もう、お金に関しては考えなくていいや」
っていう風に思えて
ここまで来てしまったことが、あるんですね。
それは、いいことだか
悪いことだかわからないんだけど。

だからぼくはほんとうに今まで、
お金のことについては考えてこなかったんです。

今頃になって
「考えないといけないぞ」とか
「邱さんにお会いしてお金のことを伺いたい」
とか思ったりするのは、たぶん、
「お金の使いみち」
がわかったからだと思うんです。
最近、ぼくは使うためのお金が欲しいんです。
ぼくは、自分の考え通りに
子どもの教育に成功したわけではないですが、
たいていの親が
「節約をすること」ばかり教えてしまうのは、
とてもよくないと思っています。
むしろぜいたくを教えるべきだ、
と考えるんです。

例えば、子どもを「吉兆」というような
良い料理屋に連れていく人は、
あんまりいないですよね。
そういうところは、
おとなが接待で行く場所だ、とされていますから。

でも、ぼくは連れていきました。
それから、世界で一番
高いホテルとかにも連れていきましたね。
「これが一番高い飯を食わせるところ」
というような場所には、
子どもが大学を出るまでの間に、
ひと通り、だいたい
ぜんぶ終わらせておきました。
糸井 おお。
うちの子どもが辻邦生さんの
『ヨーロッパ一等旅行』という本を読んで、
その中に、ロンドンのクラリッジ・ホテルのことを、
「湯水のごとくお金を使いたい人は、
 このホテルへ泊まれば良い」
と紹介してあったんですよ。

うちの息子は、それを見て、
「パパ、いっぺん、湯水のごとく
 お金を使ってみるのは、どうでしょうか?」

って言った(笑)。

子どもを連れて行って三日間泊まったら、
昼食夕食は外で食べましたから、
素泊まりで五十万円くらいだったかなあ?
当時(二十年ほど前)とたら、
まあ、高い金だったでしょうね。

子どもたちは、
ぼくが五十万円も払っている姿を見て、
「胸が痛いねえ……」
って言うんですよ(笑)。
糸井 はははは(笑)。
でも、そのかわり
「これだけぜいたくしたら、もう
 ホワイトハウスなんかに呼ばれたとしても、
 全然びびらないよね」と言ってました。
糸井 それは、お子さんがおいくつぐらいの時ですか?
子供たちが、みな
大学の一年とか二年ぐらいですね。
糸井 思春期の頃に、ぜいたくさせたんですね。
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邱さん流がグッと出てきたところで、
さらに明日の見本読みに、つづきます。

2001-02-07-WED

TANUKI
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