OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.115
- Praha! 3 -



黄金の夢が見たい!
---- 『プラハ!』



『プラハ!』渋谷Q-AXシネマでレイトロードショー

『レベロベ』(『プラハ!』の原題)
というチェコ映画に出逢った加藤さんは、
「チェコ映画祭」のスタッフから
関係者を紹介してもらい、とうとう、
プロデューサーのステファン君に辿り着きました。
チェコ<────>日本。
お互い、言葉の壁を超えて、涙ぐましい
異文化コミュニケーションを計るうちに、
「チェコで会おう!」ということに。
いよいよ加藤さんは、チェコへ旅立ちました。

□加藤さん、チェコへ行く。

加藤 どういう背景でこの映画が作られているか、
   っていうのも、想像の域を出ていなかった
   のですけど、行ってみるといろいろと
   わかることがあるかもしれないと、
   チェコへ行ったのが、
   ちょうど1年ちょっと前の12月頃でした。


── うわっ、寒いときですね…。

加藤 ええ。盆地の寒さをたっぷり味わいました。
   チェコの街並は、街全体が世界遺産に
   登録されている数少ないところで、
   うわさに違わず、
   シンプルな可愛らしさとか、
   おしゃれさとかがあり、しかも、
   伝統が息づいている、ということが、
   ようやくわかった気がしました。

   『レベロベ』はチェコで大ヒットした作品で、
   サントラはいまだにいちばん売れている
   という記録を持っているらしいんですよ。

   それで、プラハ市内にある映画会社で、
   プロデューサーのステファン君に会って、
   歴史とか、チェコの人がどういうことを想って、
   この映画を作ったのかとか、
   チェコではどういうふうな受け止められ方を
   しているのかというのを、聞きました。
   やはり英語が得意じゃないから、
   込み入ってくると文字で書いて、
   「どう?」という感じで…。

   あとから聞くと、
   普通の配給会社が作品を買う場合って、
   マーケットで買う場合が多いんですね。
   そういう時はほとんど、
   事前に1、2枚のメモに書かれた
   監督、プロット、キャストを見て、
   そこに何万ドルとか、何十万ドルとかっていう
   金額がついていて、
   その時点で買うかどうかを決めるみたいな。
   かなりアバウトな感じのものにお金を出し、
   カンヌやベルリン映画祭には、
   ほぼスクリーニングで確認するために行く、
   というケースが多いんですね。
   なかなか内容を吟味したり、会社の人に話を
   聴いたりして映画を買うなんてことは、
   できないみたいなんですよね。

   でも、今回は、幸いなことに、
   マーケットにのらない作品だったんです。
   「なんでのせなかったの?」と聞いたら、
   「4人でやってるから」
   「あーそうだよね」って言って。


── 欲が無いんですね…。

加藤 そう。
   こっちもこっちで
   「小さな規模で買うんだけど…」
   みたいな話をして。
   向こうも、
   「そんなに高く買ってもらわなくていい」
   みたいなね。

   一度アメリカで公開されたみたいなんですけど、
   アジア圏ではまったく最初ですし、
   向こうも日本のコトを全然知らないんで、
   お互い知らない同士が、旅先で出会って、
   「元気か」「お酒飲む?」みたいに、
   お互いにいたわり合うっていうか、
   そんな感じで。そんな中で、買えたのは、
   結果的にすごくよかったと思います。

   こちらも小さいなりにがんばってみようかと
   思えたところがあって、
   僕も小さなところでやっているので、
   このミュージカルをいちばんいい形で
   売りたいなと思っていて。
   僕がやりたい内容を向こうに伝えたら、
   それがすごく了解されました。

   そのポイントっていうのは、
   タイトルは、当然変えてしまう可能性が
   あるだろうけど、すごくおしゃれで、
   デザイン的にも見るべきところが多い、
   というのと、マジメな、それは、
   チェコ人にしかわからないところもある
   のでしょうが、僕はバランスがいいと思うので、
   ぜひ紹介したいということでした。

   向こうもやはり、ミュージカルなので、
   見た目はおしゃれにして下さいと。
   それが出来るのであれば、
   「あとはお任せします」という感じで、
   そこは自分の得意としているところなので、
   「ぜひやらせて下さい」と、
   なんとかまとまって、
   日本に帰って準備に入ったというわけです。

   ひとつひとつ、向こうと確認をとって
   やっていたんですけど、
   ほんとにいい人だなと思ったのは、
   いちいち元気づけてくれるんですよ。
   「オレの言いたかったのは、それだよ」とか、
   朝5時くらいにメールをもらうと、
   「あ〜うれしいなあ」と
   なんかジーンときましたね(笑)。


   

── コミュニケーションをうまくとりながら、
   映画を買うことも出来て、
   わりにスムーズに進んだのですね。


加藤 いや、買うまでは…、
   このようにスムーズに行ったんですけど、
   大変なのはそこからだったんです。
   日本で公開するというところが、
   やっぱり大変なんですよ。


   つづく。

めでたく買い付けが出来たわけですが、
ここからが正念場だった、という話は次回に。
「タイトルを変える?!」の巻です。
お楽しみに。


***コラボ情報***

セレクトショップ「B.C STOCK」との
コラボレーションTシャツ、カットソーを販売します。
公開劇場(渋谷Q-AXシネマほか)にて。
かわいいです〜!




詳しくは、プラハ!ホームページの
「News」をご覧ください。


Special thanks to Takeshi Kato and
Tomoko Ogawa (Unplugged).
All rights reserved.
Written by(福嶋真砂代)

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2006-05-09-TUE

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