OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.96
- Festival du Film Francais -


「フランス映画祭 横浜2005」がはじまるよ〜

ボンジュ〜ル!みなさん。
ウィウィ、サバビアン、メルシー。
と、すっかりフランスモードなまーしゃです。

本日は6月15日〜19日に開催される
「フランス映画祭」のお知らせをしまーす。

会場は、3つあります。
メイン会場は、
パシフィコ横浜・会議センターメインホール
サブ会場は、
ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらい
109シネマズMM横浜です。

映画祭の詳細情報はこちらにありますので
トクとごらん下さい。

http://www.unifrance.jp/yokohama/index.php

今年で13年目という伝統のフランス映画祭は、
今回、名匠コスタ・ガヴラス監督を団長に迎えて、
フランス映画の新作19プログラム
(長編18本+短編特集1本)
をプレミア上映します。

見逃せない作品がいっぱいあって、どれから紹介したものか。
いや〜迷います〜。
でも今日は3つだけピックアップさせてください。

ジェネシス(仮題)

いろんな視点でセレクトされた多彩なラインナップですが、
特に科学的な視点からおもしろいな〜というお勧め作品は、
『ジェネシス(仮題)』です。

オトナもコドモも、男も女も、この生命の神秘の
信じられない映像に驚愕すること間違いなし!


Genesis

宇宙の「はじまりのはじまり」を探るこの作品。
『ミクロコスモス』(96)の制作チームの
生命学者でもあるマリー・プレンヌーと
クロード・ニュリザニーが、
6年もの年月を費やして作り上げた
驚くべきドキュメンタリー作品なのです。
アフリカのグリオ(口承伝承をする語り部)の
ソティギ・クヤテがおナカに響く言葉で、
抒情詩を詠うようにナビゲートしながら、
宇宙の起源、生命の起源にせまります。
それはもう楽しくてびっくりする映像の連続!

この惑星にはこんなに素敵な生き物が生息しているのか
と思うと、地球を粗末にしてはいかん!
と切に思うのです。
こういう起源モノに出逢うとき、考えてしまうのは、
「人類にとって進化とは何を意味するのだろう」
という大疑問です。
技術に頼るばっかりに、人類に潜在しているはずの
動物的能力がどんどん失われてしまったのではと。
走る能力、視る能力、聴く能力、感じる能力、察する能力。
どれもアフリカの部族の人にはかなわないものね。
ということは、生物としては「退化」しているのか…。

実は、さらにどんどん科学が進めば、
起源にもどるという感触は、
実際「量子コンピューティング」にも感じていて、
「進んで進んでさらに進むと始まりにもどる」ということを
感触としてだけだけど、なんとなく確信してきたこのごろです。
(あ、そう考えると、「退化」じゃなくて進化なのか)
そういうことも感じながら、
ユーモア溢れる生物の営みに大笑いし、
映画を観終ったあとには、
なんだかサウナに入ったあとのような爽快感。
すっきりさっぱり気持ちよい!です。

ルパン

次のお勧めは『ルパン』です。

今回の映画祭の「スター・オブ・ジ・イヤー」として
フューチャーされている注目俳優のロマン・デュリスが、
私にとっても永遠のヒーローの
アルセーヌ・ルパンを演じます。
今年はルパン生誕100周年ということもあって
記念DVDも出たり、映画化されたりとうれしい限り。


Arsene Lupin

人気小説が映画になるときには、
期待とともに一抹の不安があるものですが、
どこまで主演俳優がヒーローを演じてくれるのだろう
という心配が付きものです。

何を隠そう私の中学生のときの愛読書は、
モーリス・ルブラン著のルパンシリーズ。
ほぼ20巻の全編を夢中で読破しました。
もう読み終えるのが惜しくて終わりたくなくて、
それでいて次が楽しみで仕方が無いという小説に
初めて出会ったのが、このルパンシリーズだったのでした。
お〜懐かしい〜。

翻訳者によって「ルパン」と訳している本と
「リュパン」と訳している本があって、
私にとっては「リュパン」のほうが、
軽妙洒脱、ダンスが得意、ユーモア満点、
お茶目でセクシーで、しかもカリスマ性を持ち、
いつも周囲を圧倒する存在感を見せていた
とにかくかっこいい泥棒のイメージでした。
孫のルパン3世はこのリュパンの系譜かも。

一方「ルパン」のほうは、わりに重厚で古風な感じ、
まさに「怪盗紳士」にふさわしいシルクハット泥棒に
描かれていたと思いました。

そんなルパンの思い出を語ってしまいましたが、
今回のデュリスのルパンは、どちらかというと、
軽妙な感じ。その身のこなしの軽さは
「リュパン」に近いのかな。
そんな新生ロマン・デュリスのルパンの誕生です。

見所は、とても豪華な映像と衣装。
世紀の大泥棒アルセーヌ・ルパンの誕生秘話が、
カリオストロ城や、19世紀のパリを舞台に、
スピード感いっぱいに繰り広げられます。
カリオストロ伯爵夫人(クリスティン・スコット・トーマス)
とルパンの対決も、すでに本で知っているのにドキドキするし、
カルティエ提供の目の眩むような宝石の数々には
生唾ごっくんです。

ちなみにロマン・デュリスは、
他にも2本に主演していて、この映画祭で観られます。
彼の代表作『スパニッシュ・アパートメント』の
続編の『ロシアン・ドールズ』が発表されるし、
『The beat that my heart skipped(仮題)』という
アメリカのカルト映画『マッド・フィンガーズ』の
リメイクでは、悩める不動産やのピアニストという複雑な
役もこなしていて別人のよう。
実はこちらの方がはまっているかも。

ロバと王女

もうひとつのお勧めは、映画祭の特別招待上映として
上映される『ロバと王女』デジタルニューマスター版。


Peau D'Ane©Cine-Tamaris

1970年にジャック・ドゥミ監督によって作られ、
1971年に日本公開された作品を、
ドゥミ夫人アニエス・ヴァルダの監修で、
最新の技術で修復された作品です。

シャルル・ペローの「ロバの皮」という物語が原作。
宝石を産み出すロバがいる“青の国”には、
王妃を病気で亡くして嘆き悲しみ、
再婚を勧められるも、亡き王妃よりも美しい女性でないと
「イエス」と言わない困った王様がいました。
「そんなに美しい人は国中を探してもたった一人しかいません」
と言う家臣の指先の向こうには、自分の娘の王女が…。
というわけで王様は王女に一目惚れしてしまい、
困った王女はロバの皮を被って旅に出るのです。
ま、話はしっちゃかめっちゃかだけど、
なかなか教訓も詰まってるし、おもしろい!

それから「デジタルニューマスター」という技術によって、
どれだけ鮮明に美しくフィルムが蘇るのかに感動です!

30年前に作られた映像とは思えない瑞々しさで、
若きカトリーヌ・ドヌーヴのため息の出る美しさに酔い、
若きジャック・ペランの赤いタイツの王子様姿に驚嘆!
赤いタイツですよ〜!
普通の人が着ると目を覆うでしょう(笑)。
でもジャック・ペラン王子は、いとも華麗に着こなし、
歌い、踊り、世の女性をいまさらながらに
魅了してしまう美しさ。

あの『ニューシネマ・パラダイス』や『コーラス』で、
燻し銀の存在感をみせたジャック・ペランの
若きアイドルのような王子姿はただただ必見です。


Peau D'Ane©Cine-Tamaris

音楽は『シェルブールの雨傘』で有名なミッシェル・ルグラン。
甘く切なく、あなたをどんどん夢の世界に引き込みます。
トロトロに溶けちゃうかも。

秋のBunkamuraル・シネマでのロードショーも決まりました。
そして今回、映画祭の間に来日するジャック・ドゥミ監督の
息子さんのマチュー・ドゥミ監督にお会いできるかも!
映画の話、お父さんの話、いろいろ伺えるといいなあと
思います。

この3つの作品のほかにも、
5月のカンヌ国際映画祭に出品されたばかりの4作品や、
ヴァネッサ・パラディの魅力満載の新作や、
甘いロマンチックなフレンチラブストーリーなどなど、
お楽しみがいっぱいの「フランス映画際 横浜2005」
のお知らせでした。

オヴォア、メルシー。
Special thanks to Emi Saito(Moviola),
Tayo Nagata(Cetera) and Festival du Film Francais.

ご近所のOL・まーしゃさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「まーしゃさんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2005-06-10-FRI

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