OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.86
- whiteman #7 (1) -


かめら〜まんに会った。

ホワイトマンプロジェクト「プレゼンラジオ」で、
ホワイトマンたちに出逢ってから
ちょっと時間がたってしまいました。

前回の記事を見て「プレゼンラジオ」に足を運んでくれた
というメールもいただき、うれしかったです。
ほんとにありがとうございました。

「プレゼンラジオ」は、6日間で8公演、50コンテンツ。
しかもコンテンツ、ゲストは毎日違う、という
ある意味クレイジ〜な、
でもおもしろいヒントが山ほどある「プレゼン」でした。
ここでコンテンツをひとつひとつを説明すると
「ほぼ日」全部使ってしまいそうだし(笑)。
出逢った強烈なホワイトマンたちを、
これから機会を見つけてクローズアップ
していきたいと思っております。

で、今回は「かめら〜まん」。

かめら〜まんカシャッ!

Jun Takahashi Web Portfolio(デキタテ!)

Whiteman#7「かめら〜まん」こと
たかはしじゅんいちさんは
宮大工だったおじいちゃん(祖父)に憧れ、
かっこいいおじいちゃんのように、
職人として、プロとして
仕事をすることを幼いときから夢見ていたという。
そんなたかはしさんは、
ニューヨーク在住のかめら〜まんです。
ニューヨークに住んで15年、
ジェニファー・ロペス、イーサン・ホークとか
数々のすごいアーティストのポートレートを中心に
すごい作品を撮っています。

日本での最近の作品は、
坂本龍一さんのElephantism、
秋吉久美子さんのヌード写真集、
トルコサッカー選手のイルハン写真集
があります。

今お気に入りのスウェーデンの
スキーウェアメーカーSOSの仕事で
スウェーデンの雪山での撮影を終えて、
(すっかりスキーにはまり)
一旦ニューヨークへ戻り、そのあと
「浪人街」のパンフレット撮影の仕事で
しばらく日本にいらっしゃるというところを
つかまえて、写真の話や、ニューヨークの話を
たっぷり聴かせてもらいました。

かめら〜まんの話を聴くにつれ、
私と一緒に聴いていた友人2人も身を乗り出し、
すっかりかめら〜まんオーラに包まれ、
インタビューが終わると、
なんだか生まれ変わった感じがしたのでした。

それほど、かめら〜まんは楽しく生きてて
もっとおもしろいこと、もっと素敵な写真を
撮りたいと求め続けているということなのだけど、
その強烈なエネルギー、つまり、かめら〜まんの
「生命力」という紛れもない人間の大事な力を
もっとも感じさせるわけを少し知ったとき、
私たちは息を飲んで言葉が出なくなりました。

以前、かめら〜まんはニューヨークの自宅で強盗に遭い
首には深い傷が残るほど重傷を負ったのです。
助かったのは偶然の重なりだったのでしょうか。
自分の首から噴出す血を浴びた階下の通行人が
驚いて警察を呼んでくれたのだそうです。

刺されたときにはすぐに気を失い、
刺された痛みとかは全然感じなかったといいます。
むしろ言いあらわせないような、ふわりとした
気持ちよさの中に漂っていたというのです。

しかし、すぐ正気が戻り病院へ運ばれ、
一命をとりとめました。

写真を撮りたい!

「ニューヨークを去るか、住み続けるか」
当然、この問題にぶつかりました。
もちろん深く悩んだけれど、そのときかめら〜まんを
ニューヨークに留めたのは、
「俺は写真を撮りたいんだ!」という強い想いだったと。
さらにそのとき、じゅんさんがニューヨークへ戻ることを
お母さんが許したのはすごい決断だっただろうし、
「行かせてくれたおふくろは、すごいと思った」と
振り返ってくれました。

強盗はスペイン語を話す黒人だったそうです。
ここでニューヨークを去ったら、
もう2度と腰が引けて黒人は撮れなくなる、
そしてNYへも来れなくなる、そう思ったら、
もうプロとしてはダメだと思ったと。
だから立ち向かったのだと。
実際ニューヨークの素晴らしい友人たちの支えもあり
「一番助けてくれたのが黒人の友達だったしね」
と笑って話すたかはしさん。すごいとしか言えません。

こんな恐ろしい体験をしたニューヨーク。
でも、かめら〜まんがこのうえなくニューヨークを
愛しているのがびしびし伝わってきました。
そのお話を聴いてみましょう。
でもこれから聴く話は、まだじゅんさんの
この体験を知らない時間に聴いているのですが…。

selfphoto
selfphoto by jun takahashi

つづく。

marsha,
Special thanks to Junichi Takahashi (camera〜man)
all photos ©Jun Takahashi

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2004-05-12-WED

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