OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.42
- future communication -


こんにちは。

ちょうど2年前です。このコラムのvol.1で、
「チリンチリンと鐘が鳴って私のモバイル生活が始まった」
なんてことをノウテンキに書いてました。
こんな未来が来るとは知らず…。

そう! このたったの2年で! 携帯電話が!
すんごいことになってしまってます。
あっという間です。驚いちゃいますね。
私も、もうデータ通信の方が多いくらいな
使い方になってきてます。
それに携帯電話で音楽も聴いちゃうんだから
ウォークマンは…。
世の中、かなり入ってますよ、
ネクストジェネレーションってやつに…。

これがまた来年早々にうーんと変わるんでしょう?
どうなっちゃうんだろうなと思ってるんですが
それが、今日話そうとしてる
『次世代携帯電話』のことなんです。というより
『次世代携帯端末』というほうが近いのかな。
もちろんみなさんも、
ワクワクドキドキで待ってますよね。
この『次世代…』の登場を。

さて、一体どう変わるんでしょうね。
「でんわ」というものが
「でんわ」じゃなくなっちゃうってこと
ですかねー。

・・・・。

ううん、電話は電話なのです。
「もしもし」とお話できるのは変わらない。
やっぱり声を聞くのは、幸せです。
ただ…
「次世代」な「携帯」の「電話」になるんです。
ああ、わっかりにくい。なんなんだろうか?

つまり、
「もっといろんなことができる、
 世界中持ち運び自由の、
 コミュニケーション機器」
になるんですね(まんま、だ)。

ところで、vol.40のタイトルに
「The Third Generation ?」と
密かに忍ばせておいたのですが
お気づきだったでしょうか?

いや、これこそが「次世代」
らしい…と小耳に挟んだわけです。

じゃThe Third Generation (3G)
って一体なんだ?という話です。

実は通信の世界はセンタンがやってる
コンピュータの世界とは、関係が深いけど
ビミョーに別の世界のことなんですが…。
興味に駆られてついつい入ってきて
しまいました。

サクサクっと資料片手にサカノボッテみますと、
通信の世界では

1.ファーストジェネレーションシステム(1G)
  ──アナログ通信で、声の通信のみ

2.セカンドジェネレーションシステム(2G)
  ──デジタル通信で、声、データ、FAX 他、
  いろいろな付加的サービスの通信

現在はセカンドジェネレーションシステムだそうです。
そして次世代通信へ向けて着々と規格の標準化が
進行中。世界中どこにいても同じサービスを受けられる
ようにするためなんだから、早く統一すればいいのにと
外からだと、思うんですよね。

ところが、これが簡単に統一できるものではなくて
企業や国の熾烈なパワーゲーム
繰り広げられている世界なんですねー。
リンク先の小池良次さんのレポートを
読んでみてください。
GSMで早々規格統一して有利な欧州勢、
コンテンツ産業で一歩リードした日本勢、
企業の買収・再編で巻き返す米国勢。
そしてどうも、通信規格は
IMT-2000(W-CDMA、cdma2000、EDGE)
に絞られてきているようですね。

この市場争いは、私たちが使う携帯電話が
いかに便利になるかということに影響があるだけに
今後も目が離せない話です。

そんなわけで、
3.サードジェネレーション(3G)
  ──これが次世代通信。

1デジタル 2モバイル 3インターネット
この3つがコアな要素になるんだそうです。

セカンド・ジェネレーションで抱える

  • 通信方式の統一の問題が解決でき、
  • 動画像、音声、データも高速で送れて
  • 全世界で同じ環境の携帯端末が利用できて…
    ということになって
    まさに手の中のマルチメディアが実現
    されていきます。
    (この情報はこちらを参考にさせていただきました)

    ところで、vol.40で北欧ITの話をしたのですが
    それがきっかけで、ある北欧大企業の
    工業デザイナーさん(エドくんと呼びますね)
    とつながるというラッキーに出会いました。
    メールでこれからのコミュニケーションツール
    についてあれこれ話しましょうよ、とお願いして
    楽しい未来の携帯端末の話を届けてもらっています。

    エドくんの話の中から
    これから出現するであろう
    SIMカードのことを紹介します。
    以前はUIMカードと呼ばれていたものです。

    これは欧州のGSMネットワークでのサービスで
    日本ではまだ無い物でGSMにはあるもの、
    そして3Gで標準化されるものに、
    SIMカードがあります。

    これは電話機のアイデンティティーに
    あたるもので、自分の電話番号、メールボックス、
    電話帳が記録されいます。

    ですから古い電話機を親にあげて、
    自分が新しいものを買ったときなんかにも、
    これを電話機間で移動する事でスムースに
    移行ができるんです。

    いいですねー。
    ということは、つまり、電話機を替えるたびに
    メモリーを入れ直さなくてもいいし、
    今までのメールの記憶も消されずに
    もっていけるんですね。
    便利ですね。

    しかも同じ電話番号でも2つ以上のカードを
    持つ事ができるので、たとえば機能満載の
    PDA型携帯電話と自動車電話と
    シンプルでおしゃれな、遊びに行くとき用の
    携帯電話を交代させながら使う事ができます。
    すべての電話番号はいっしょなので、
    ある電話の電源を切って、
    別のに電源を入れれば
    その電話に電話はかかってくる事になります。
    これって結構便利そうですよね。

    いやぁ、すごく便利そうです。
    デートの電話機、仕事の電話機と
    持ち替えちゃうのもおしゃれですね。
    しかも、そのカードだけを持って海外に行っても
    現地の同じ規格のネットワークの電話機なら
    同じ環境の電話機、つまり、アドレスや番号など
    がそっくり入っている
    いつもの環境の電話に早変わり。

    すごく(→)ない(↑)?

    私は、GPS(Global Positioning System)を
    利用したサービスに期待しちゃいます。
    カーナビと同様に、位置情報をGPS衛星に
    よってキャッチし、その場所で必要な情報、
    例えば、近くのどこにお店があって
    自分の欲しいものはそこにあるのか
    いわゆる在庫情報がわかったり、
    データベースにある様々な情報を
    位置に従って受け取ることができるように
    なるサービスがあるんです。
    位置がわかれば、受け取る情報を的確に
    絞っていくことができるから
    正しい情報に近くなっていくわけです。

    でも「今学校にいるよ〜」なんて、
    親にウソ情報を流していた学生さんが、
    しっかりGPSで、遊んでるのがバレちゃった〜
    なんてことになっちゃうか…。
    浮気とかも要注意ですね(笑)。

    うーん。
    こうやってみてくると
    単に機器についていた「電話」という概念が
    どんどん変化を起こしていることが
    だんだん実感できてくる気がします。
    未来のコミュニケーションはどうなって
    いくんでしょうね。

    ある企業の「未来のコミュニケーション」と
    題したプレゼンテーションで
    公園のベンチに座った婦人の眼前に
    急にモニタ画面が現れて、モニタに映った
    海外の孫と楽しく会話するっていう
    シーンを見ました。
    多分、周囲の人から見ると、角度によっては
    モニタ画面は見えてないんでしょうね。
    で、婦人は独りで笑って話しているーという
    感じなので、ちょっと不気味かもしれないと
    思った…のです。

    ま、考えてみれば
    今の、歩きながらそこに居ない存在に向かって話す
    という携帯電話ですらも、ちょっと前までは、
    「恥かしい」なんて思ってたんだから、
    普及された暁には何もおかしくなく
    なるんでしょうね。

    来年の今頃はきっと
    「vol.42では『次世代携帯端末』なんて書いてたけどさー
     もう、電話機みたいな見える機器も持たなくて
     よくなりましたよね…ははは」
    なんて、書いているかもしれません。
    もしかすると、形のないコミュニケーションツールが
    産まれていて、もちろんケーブルも無くて、
    データだけが耳の中に静かに転送されているとか…。

    えっと、来年はまたいろんな動きがありますので
    いろいろご紹介したいと思います。例えば、

    LinuxのgNくんのおともだちのシンジさんから
    シリコンバレーの様子をレポートしてもらったり、

    まーしゃの超協力者である、スルドビッチ博士の
    「コンピュータ音楽の研究」を根掘り葉掘り
    聞いてみたり、これはドラムのリズムにからめた
    興味深い話になりそうです。

    他にもおもしろい話がデスクの上に
    山積みになったまま…です。
    賞味期限が過ぎないうちに…
    と思っていても、動きが早いので
    追いつきません。
    でも、なんとか取って出していきたいと思いまーす。

    では、新しい年、新しい世紀に、
    もっともっと社会の本質的な変革を
    ひっぱったり、後押しする
    ファンキーでロックなテクノロジーに期待して、
    初日の出を拝もうと思います。

    来年もご近所からお届けしまーす。
    どうぞ、よろしく。


    marsha
  • 2000-12-31-SUN

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