OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.40
- The Third Generation? -


こんにちは。寒くなってきました。
でも電車の中、なんであんなに暑いのだ!!
エネルギー、もったいないぞー、日本!!!

さて、今日は北欧、スウェーデンのことです。

北欧の人って、なんかこう独特のセンスの良さと
インテリジェンスと、
そいでもって素朴なあたたかさも
併せもっていて、バランスがいいなーと、
私は北欧の方々に会うたびに好印象を抱きます。

先日も「Swedish-Japanese IT Seminar」
というのが、スウェーデン大使館で行われたので
レセプションでおいしいものいただけるという話に
つられて(笑)、いそいそ出かけてきました。
セミナはきちんとしていて、でも、
そんなに堅苦しくないし、レセプションも
適度に緩めのおもてなしで、素敵だったし
みんなとてもお話好きで、あたたかい感じでした。

スウェーデンは、IDC(International Data
Corporation)のサーベイによると、
IT開発とインターネットの成熟度で
トップというIT界の優等生の国です。

アメリカを抜いてトップになった国はこの国だけ
だそうです。3位にフィンランド、4位ノルウェー、
デンマーク、カナダ…と続き、日本は10位です。

この調査は、パソコンのインフラストラクチャ、
社会的基盤、インターネット利用率、教育水準など
を比べたものです。

うう、頭、痛いじゃないですか。

どれをとっても明らかに遅れてる日本。
10位に入るというだけでも、ビックリだったりして…。

このように、IT社会への基本的土台をしっかり
固めた上に、さらにこの国のITの特徴があります。
それは、スウェーデンという国のロケーションゆえ、
冬が長くて寒い!という事情を抱えているわけですが
そうなるとやはり、
発達するのはコミュニケーションツール。

そうです。それは携帯電話。
いわゆるモバイル産業がIT分野では群を抜いて
強くなるわけです。

スウェーデンには
40カ国に拠点があり10万人の社員を抱える
グローバル大企業、Ericssonがあるし、
ノルウェーにも、あのMatrixで活躍した携帯電話の
会社、Nokiaがあります。
北欧のドライビングフォースなわけです。

「なんで携帯電話が発達するの?」と
レセプションで愚問を発してみたら、
「だってさ、他に車なんか来ないところで
車運転してて、いきなり車故障してみろ。
電話持ってなかったら凍死っていう事故、
いっぱいあるんだよ、北欧じゃ。」

というふうに ”Abusolutウォッカ”
(このサイトのドアかっこいい!)
をゴクっと飲み干しながら、説明してくれたんだけど、
環境が育てる産業っていうか、もう、それは
「凍死か電話か」の世界ですよね。
なっとく…。
どおりで「世界で最も通信網が発達する国」なわけですね。
なっとく…。

資料には「世帯の70%が先端的なパソコンを所有し、
12〜79歳の全スウェーデン人の60%がインターネットを
使用している。
さらに2人に1人以上が携帯電話を持っている」
とあります。

これぞ、ITセンタンの国。
行って見て、調査して来たくなりました。
誰かスポンサーになってくれないかなぁ…。
未来の日本のITのために…、センタンつながりで。
なーんちゃって(笑)。

「スウェーデンは、EUというマーケットがあり、
教育水準が高く、
コスト競争という点でも大幅な改善があり
ビジネス環境が抜群である」と
外国資本へのアピール度は満点。
さかんにこういうセミナを開いて、外国でPR活動を
しているのですね。
ところで日本ってやっているのかしら…。

なんと言っても最大の利点は「英語」。
スウェーデン人の語学力は強力です。
どなたに会ってもほぼカンペキに英語ができる
という印象があります。

そーなるともちろん、インターネットでは
便利ですよね。
特にグローバルにビジネスをする場合においては
情報開示という点で、非常に魅力的です。

これだなぁ…、やっぱり。日本の最大の弱点。
翻訳ソフトも大いに進歩して
読み書きがすごく便利になってきているので
随分とインターネットの語学面での
不自由さは取れてきてると思います。

しかしですね、やはりビジネスは
フェース・トウ・フェースが有効なわけで
E-mailだけで済ますより、距離と時間をかけてでも
実際に会って商談をする、とか、「やあ!」って
お互い顔を見てコミュニケーションするという
ことが大事なんです、通訳なしで…。

そのあたりが、できるとできないでは
いくらインターネットが強力になっても
グローバルなビジネスとして生き残ることは
難しいのでしょう。

ところで、ITポールポジションのスウェーデンが
今、注目しているのは、なんといっても
日本のモバイル事情です。
アメリカが携帯端末市場では遅れをとっている中、
日本の、特にi-Modeは、世界で注目を浴びています。

日本からのゲストスピーカは
i-Modeをはじめとする携帯端末のコンテンツメーカ
の英語堪能の関西系の(おもしろい)青年社長。
「コンシューマをフォーカスした信頼性の高い
コンテンツ作りと、WIN-WIN の法則とは…」
についてプレゼンし、ほとんど外国の方でいっぱいの
オーディエンスの注目をかっさらっていました。
これからの活躍が頼もしいです。

WIN-WINとは、言葉そのもの。
ビジネスに参加する企業、顧客の双方が満足する
システムの商売をめざすということです。
欧米にはない発想だそうで、すそ野の広ーい
ユーザにアピールすることに成功しているようです。
つまり、子供や女子高生からおじいちゃん、
おばあちゃんまでが使えることをめざしているわけです。

日本で携帯電話がブレークしたのも
このi-Modeのスタートがきっかけでしたね。
別に車が故障して凍死するわけでもない狭い国で
必要に迫られずに売れてしまった、そのわけは、
いかに、ユーザーにとって必要な情報を
提供できるかの知恵にあったと言えるでしょう。

技術と知恵がうまく融合した、ほんとに
アイディアが勝つ商品であるし、そこに多くの人が
将来の可能性を見つけられる、マーケット含有率の
非常に高いフィールドなんですね。
いいアイディアとマーケットが、これからどんどん
遅れている基盤整備と社会意識を
先導していくといいですね。

結局、スウェーデンという国の目を通して
日本を見させてもらったいい機会だったなーと
ほくほくして帰ってきました。

そう、ほくほく北欧は注目ですよ。
そして、移動体通信は「ザ・サードジェネレーション」
突入ですって。うわ、なんやの、それ?
また今度です。では。


marsha

2000-11-26-SUN

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