OL
ご近所のOLさんは、
先端に腰掛けていた。

vol.22
- virtual ≠ supposed No.2 -


さあ、あなたは、だんだん、バーチャルな人になってくる。
ほ〜ら、だんだん、ホンシツへとせまってくる〜。

どうでしょう?

ちょっと前に、テレビ朝日で1週間くらい放送してた
「スーパーネイチャースペシャル」(のようなタイトル)
毎日観られなくて残念だったけど、おもしろかったー!

特に、自己催眠の回。

人間の能力はほんの1部しか使われていなくて
眠っている「潜在能力」を自己催眠で呼び起こす
ことができる、という特集だったような。
精神と身体を鍛えあげて
意識下においても自分をコントロールする力をつければ
「潜在能力」の、いわゆる「超能力」と呼ばれるものが
使えるようになるのだとか。
要するに、意志と集中力だそうな。

眠い目で観てたから記憶はあやしいです。
違ってたら、テレ朝さん、ごめんなさい。

さーて、あなたは、だんだん、
「バーチャル」が分かってくる〜〜。
(あやしい〜)

前回は、
●バーチャルは「仮想」や「虚構」という意味ではない。
●バーチャル=見かけは違うが「本質」を備えたものである。
というところまで進みました。

今日は
●バーチャルリアリティの三要素
●バーチャルリアリティと人間の認知機構


に進みまーす。
では、今回も:東京大学教授)先生
に教えていただきます。

テキストは
NHK人間講座(1999年10月〜12月期)(NHK教育、23:00-23:30)
水曜日「ロボットから人間を読み解く」

です。引用部分は太字になっています。

では、バーチャルリアリティの三要素のお話から。

バーチャルリアリティの最も特徴的な点は、
コンピュータの生成する人工環境が

  1. 人間にとって自然な三次元空間を構成しており、

  2. 人間がそのなかで、環境ととの実時間の相互作用を しながら自由に行動でき

  3. その環境と使用している人間との境目がない、 いわゆるシームレスになっていて人間が環境に 入り込んだ状況が作られている

ということです。

これらをそれぞれ、
1→「三次元の空間性」、
2→「実時間の相互作用性」、
3→「自己投射性」
と呼び、バーチャルリアリティの三要素をなします。

つまり、この三要素すべてを兼ね備えたものが
理想的なバーチャルリアリティシステムです。

むむむ、難解な言葉の連発!

でも、この3つの要素がそろってはじめて
『理想的な』と呼ぶのかぁ(感動)。

待って!
ということは理想的じゃない
バーチャルリアリティがあるということね。

もっと聴きましょう。

「三次元の空間性」とは、
コンピュータが生成した立体的な
視覚空間、立体的な聴覚空間が
人間の周りに広がることです。

ディズニーランドなどでみる三次元の映画などは、
この要素を備えています。
しかし、別の角度から観ようとしたり、
物体の後ろに回り込もうとしてもできません。
まして、見ている物体を触ったり
別の場所に動かしたりすることもできません。

そうそう。できないね。
でも、スクリーン見ながら、
石が飛んできてつい避けちゃったり、
なんかつかもうとして手が出たりした経験
あるでしょう?正直にね。

つまり、「実時間の相互作用性」が欠けているからです。

とんでくる物体をつかむことができない。
それがリアルタイムインタラクティビティがないってことなんだ。
(英語に置き換えただけじゃないか)

それから、コンピュータゲーム。

これは、”物体との実時間の相互作用はあるんだけど
ディスプレイを見るだけで、
自分が包まれているわけじゃない。
三次元空間を利用することはできない。”

ということです。

まして、自分とコンピュータの生成した環境が
深さや方向においても矛盾なくシームレスにつながって、
自分が環境に入りこんだ状態を実現する
「自己投射性」はありません。

いやー、いくら RPG とかの CG の威力がすごくて
ゲームにのめりこんだとしても、
実際の周りの景色が変わることはないものね。
CFの世界は、「君の生活が変わる〜」なんて広告
してるなー。変わる気がしてくる、ってことよね。
変わったら、楽しいなーとは思うけど。
シグナルかわると、家族でGO!とかね。
といっても、まーしゃはゲーマーではありません。
あしからず。

あ、「自己投射性」の話だ。これ、ちょっとむつかしい。
そういうときは全面、先生に頼るのね、やっぱし。

この自己投射性を別の言い方で説明すると、

人間は目を瞑っていても
自分の身体がどのような形をしているかがわかります。

これは、体性感覚や平衡感覚といった
「自己感覚」によっています。

通常我々が経験している実空間では
この自己感覚と目や耳で観察する空間の
情報とが一致しています。

[自己感覚]=[目や耳で観察する空間の情報]

わかる、わかる。
一致しないと大変だよね。
見ているものと脳に映るものが違ってくるとか
前に歩こうとして、後ろに向かっていたり
いろいろ、混乱を極めると思う。

例えば、目を瞑った状態で
自分の手があると思った位置に目を開けると
自分の手が見えています。

この現実空間の特徴である、
人間の異なる感覚モダリティ感に矛盾のない状態を、
コンピュータが生成した人工環境のなかでも実現するのが
「自己投射性」です。

つまり、やろうとしていることとやっていることが
「感覚的に」一致するようにすることですね。

バーチャルリアリティは、
これらの三要素を有したシステムを構成して、
人間が実際の環境を利用しているのと
本質的に同等な状態で
コンピュータの生成した人工環境を
利用することを狙った技術なのです。

はぁ〜。

みなさん、今回と前回の記事は、
できたら、プリントアウトなどして、
何回か、噛みしめて(先生の説明のとこ)読んでみる
ことをお勧めします。
読み重ねると、「は、はーーん」なんて
納得がやってくるかもしれません。

私もこうやってインプットしながら、
梅干の種のように
もぐもぐ反芻しています。

だって、むつかしんだもの。
でもおもしろい!

次の
●バーチャルリアリティと人間の認知機構
は、2000年にお話ししましょう。

今日はこれでおしまいです。
おつきあい、ありがとうございました。

来年は
2000年問題を振り返る、
なーんていう記事も書きたいし、
この間、ちょっと参加してきたワークショップで聞いた
「ネットワークエージェント」の話もしたいし。
未定ですけどね。

おそらく2000年以降は、
技術の進みはすさまじく加速して行くと思うんです。
良くも悪くも。

でも相手を知らなきゃ、楽しめないし
まして悪い方向に流されちゃうのは、
くやしいじゃないですか。
だから、どんどんのぞき見しちゃいます。

また、センタンの周辺のニオイ(くんくん)を
お届けしますんで、来年もどうぞよろしく。

A Happy Millennium!
福嶋(まーしゃ)真砂代

1999-12-30-THU

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