ポケットに『MOTHER』。
〜『MOTHER1+2』プレイ日記〜

7月14日 聖なる山の歩きかた


あいかわらず、聖なる山に備えて
ちくちくと戦闘を繰り返している僕である。
というわけなので、
ゲームの進行からいうと1ミリも進んでいない。
けれども、僕の頭のなかではその作業は無駄ではなく、
僕と僕の友だちはメキメキと
力をつけていることになっているので、ここはひとつ
「1ミリも進んでないが体重はそれぞれ2キロ増えた」
と言わせていただきたい。
あ、でも女の子の体重が増えるのは問題あるか。

前日の日記にも書いたが、僕はこのような、
目標を定めてレベルを上げる作業が意外と好きである。
一度ぺしゃんこにされた経験が強烈であればあるほど、
必ずやリベンジせん、という意欲がふつふつと沸く。

だから、何かに備えてレベル上げする場合は、
ひとつやふたつでは気が済まない。
ちょっと上げてちょっと挑戦して
「あいたたた、まだダメかあ……」
というやりかたは性に合わない。

やるからには、レベルを3つばかしドカンと上げて、
「これまでのオレサマとは違うぜ」とばかりに
道場の門をばりばりと蹴破る勢いで再挑戦したい。

そういったわけで不敵な笑みを浮かべながら
電車のなかでレベル上げしている僕である。
乗客のみなさんが怪訝な表情で
こちらを見ていないことを祈るばかりである。

ところで、
同じ場所を同じように進むことを繰り返していると、
作業はいつしかルーティン化してくるものである。
進行なき様を記すのも詮ないので、
本日は僕のルーティンワークをご説明申し上げる。
無意味に文体が堅くてかたじけのうござる。

さてさて、僕の一日はマジカントよりはじまる。
というのも、たいてい前日のプレイは
電車が駅に着いたことによって中断され、
慌てて桃色の世界へエスケープすることを
余儀なくされるためである。

したがって、まずは体力を回復する必要がある。
病院マークの巻き貝の右隣の巻き貝を訪ね、
「はい」「はい」と2回ボタンを押す。
これにて体力全回復。マジカントは素敵な場所である。
なんといっても宿代が要らない。

元気いっぱいになったら、
マジカントの集落の出口から出て右を向き、
2月にチョコレートを贈るという名前の街に向かって
ビューーーーっとテレポーテーション。
しかし、ここでぼーっとしていると
右端に立つ変な椰子の木みたいなのに当たって
ドカーーーーンとなってしまうため、
直前で十字ボタンを上に入れる。
ちなみに3回に1回はこれに失敗して
ドカーーーーンとなる。
最近ではこのテレポーテーションが成功するかどうかで
その日一日の運気を判断している僕である。

首尾よく、
2月にチョコレートを贈るという名前の街に着いたら
すぐさま聖なる山へ向かって歩く。
道中出会う敵はレベル上げの対象であるから
すべて逃げずにきちんと戦う。
しかしながら、行く先に回復する場所があるので
オート機能を使ってかなり乱暴に戦ってかまわない。
多少体力を奪われても全快できるためである。

休息できる場所に来たら迷わず一泊して体力回復。
ここでは、きずぐすりをもらうこともできるが
荷物に余裕がないため、もらわないことにしている。
フィールドに出たら聖なる山の入口を目指す。
ここからは、オート機能を使わず、
やや慎重にコマンドする。

山への入口は東へ進むとある。
簡素な印象のある入口から洞窟へ入り、
取り逃したアイテムがないかたしかめながら奥へ進む。
戦闘を繰り返しながら進んでいると、
たいてい茶色い草のたなびく野原へ出るあたりで
電車が降りるべき駅に着くので
マジカントへ飛んでセーブする。

以上がここ数日の僕の行動である。

そのようにして、聖なる山の洞窟を何度も歩いていたら、
僕はいつの間にかその洞窟の構造を把握してしまった。
つまり、茶色い草のたなびく野原へは
間違えずに行けるようになった。

本日はせっかくなのでその知識を
みなさんにおすそ分けしてみたい。
攻略情報がまるでないことで有名な日記であるが、
たまには「役立ちました!」とか言われてみたい。

もしもこれから『MOTHER』をプレイする方がいたら
きっと聖なる山の洞窟に苦労なさるでしょう。
薄暗い洞窟のなかで、途方に暮れてしまうでしょう。
迷子の迷子の子猫ちゃんになってしまうでしょう。
そんなときは、どうか、どうか、
このページのことを思い出してください。
きっとあなたの役に立つはずです。

とはいえ、直接の攻略情報を伝えるのには抵抗があるため
例によってややオブラートに包み、
暗号めいた言い回しで伝えさせていただく。
入口から野原までの道順は以下のようなものになる。

お茶碗! お箸! お箸! お茶碗! お茶碗!

以上である。
ちなみにその方向は、画面に対してではなく、
キャラクターの進行方向に対してである。
また、道の角度に関わらず、
岐路を無理矢理にお箸とお茶碗に分けて記した。

以上、参考になれば幸いであるが、
いきなりこの通りに進むと、
貴重なアイテムを取り逃してしまうことになるので
注意していただきたい。

って、それじゃ意味ないじゃんか。
本日も長々、失礼いたしました。

このページへの激励や感想などは、
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2003-07-15-TUE


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