KANA
カナ式ラテン生活。
スペインは江戸時代の長屋みたいさ、きっと。

 
【ヨッパライお父さんのブラブラ手土産】

オラ!
「暦のうえではもう春ですが」
なんていう時期になりました。
今年はこれにもういっちょ、付け加えてください。
「暦とマドリーのうえでは、もう、春です」


スペインで、3回目の春を迎えた。
少なくとも私にとっては
1月末からもうすっかり春になった。

1月最終週のマドリーは良い天気で、
夜には相変わらずぐっと冷え込むけれど
日中には汗ばむほどあたたかくなってくれる。
あぁなんとなく春の気配ね、と
全開の窓辺でのんびり外を見やっていたら、
あからさまな春のしるしがやってきたのだ。

目には見えないけど風にのってやってきて、
花ならぬ鼻をふるわせるあいつ。花粉!
ぶえーっくしゅ。

恐るべきことに、
マドリーでは1月から8月くらいまでの長い長い間、
花粉症患者受難の日々が続く。
そういえば、もうテレビでは花粉症用の薬のCMが
バンバン流れているもんなぁ。

はぁ、長い闘いのはじまりだ。
春が、来たのだなぁ。


春といえば、
花見て一杯、ヨッパライがいっぱい。

ヨッパライといえば、
ネクタイを頭に巻いた赤ら顔のサラリーマン。
帰宅が遅くなったお詫びにと買った
家族へのおみやげの寿司折を
千鳥足にあわせてブラブラグルグルまわしながら。

そんな
「ヨッパライお父さん御用達寿司折」風のものが
スペインにもある。

これ。



十字にかけられた細いヒモと
その先をわっかにして手にぶらさげるように
なっているところなんて、
「ヨッパライ寿司折」そのものでしょ?

でも、ここはスペイン。
これに入っているのは、もちろん寿司ではない。
では、なんでしょう?

(ヒント:
 寿司と同じくらい、ちびっこもママも喜ぶもの)

答えは。











ケーキでした!


スペインのパン屋さんやお菓子屋さんは、
たいていこの「ヨッパライ寿司折」仕様で
買った商品を包んでくれる。

まず、
紙のトレイの上に菓子パンやケーキをのせる。

次に、
幅細の厚紙をパンやケーキよりも高い位置で持ち、
その両側をぐっとたわめてトレイの下に入れこむ。
つまり傘の骨のような役割をさせるのだ。
はじめて見たとき、ちょっとうなった。

そして、
その厚紙のたわみを利用して
包装紙がケーキに直接つかないように気をつけながら
(でもだいたいケーキのサイドのクリームとかは
 紙にくっついちゃうんだけど)、
全体を包む。

最後に、
包みにヒモを十字にかけ、
中央からのびたヒモを結んで、
手でぶらさげるための輪っかをつくれば完了。


こんなどうでもいいようなことでも、
まだ、いちいち楽しい。

たまにこの包みをブラブラさせながら
「いやぁ、まいったよ。
 会社の帰りに西新宿で
 安住アナにつかまっちゃってさぁ」
(テレビ番組『さんまのからくりTV』のコーナー。
 果たしていまでもあるのかしら?)
なんて言ったりして。

いちいち楽しんでみる。
まだまだ、スペイン、楽しかばい。

2002-02-08-FRI

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