京都
「知りあいの宿」を
つくろう。
好評につき、秋冬もやります。




中秋の名月は、毎年旧暦の8月15日
(だから十五夜というんですね)。
2003年の今年は、9月11日にあたります。
古式ゆかしき舞いをあじわいながら、
船上のお茶席で、川面にせり出した床で、
低い山々の上にぽっかり浮かぶ
「お月さん」を眺めてすごす。
お月見は、京都の秋の夜の、
大きなたのしみです。

京都のお月見は、ほんまにいいんですよ。
山があって、しずかで。
── 京都はお寺や神社がたくさんあるうえ、
高い建物があまりないから、
夜が更けると、
「ここはいったい何時代なのか」
わからなくなりますね。
そうでしょう? お月さんを見る催しも
たくさんあるんですよ。
なかでも、いちばんのおすすめは、
大覚寺(だいかくじ)で行なわれる
「観月の夕べ」です。
大沢の池に、竜のかたちをした船が出るんですが、
船の上で、おうす(薄く淹れた抹茶)を
いただきながら、月を見るんです。
すごくいいですよ〜。

9月11日(木)〜13日(土)
観月の夕べ 大覚寺、大沢の池
17:00〜21:00
船上茶席券 1,000円
池畔茶席券  500円(600席まで)
当日販売・雨天決行
アクセス:市バスまたは京都バスで、大覚寺下車
── あの池は、あんまり大きくないと思いますが、
船が出るんですか?
ええ。船で池をくるっと一周するんですよ。
池畔にも毛氈が敷かれますので、
船に乗らなくても
お茶席で月を眺めることもできます。
── 池畔の席は、600席ですか。
船もそんなにたくさんの人数は乗れそうにないし、
当日は、はやめに行って
券を買わないといけませんね。
そうですね、
最近は観光でみえる方も多いのですが、
こういう催しは、
もともとは地元の人が楽しむものだったのでしょう。
そのときの習慣が残って、
当日のみの受けつけなんだと思います。
3日間の催しですが、
近くにおでん屋さんの出店なんかもあって、
たのしいですよ。
9月なかばとはいえ、夜はひんやりしますから、
おでん屋さんも大人気!
── 11日は中秋の名月の日ですから、
このほかにもたくさん催しがありそうですね。
はい、サカベがいいな、と思うものだけでも、
3つあります。
とくに、下鴨神社で行われる名月管弦祭は、
お月見団子のお供えがあったり、
薪をたいたなかで、
古式ゆかしき平安期の衣装をまとった舞が
奉納されます。これは、おすすめですよ。

9月11日(木)
名月管弦祭 下鴨神社
お茶席券 1,000円
アクセス:市バスで下鴨神社前下車
橋殿で舞楽、管弦、平安貴族舞、
琴の奉納が行なわれます。

9月11日(木)
賀茂観月祭 上賀茂神社
17:30〜19:00
アクセス:市バスで上賀茂神社下車
神事の後特設舞台で、舞楽などの奉納が行なわれます。

9月11日(木)
(雨天の場合は12日になります)
京都府立植物園
18:00〜20:30
入園料 200円
アクセス:地下鉄で北山駅下車
── 植物園がお月見のために
夜間も開けるんですね。
粋なことをする植物園ですねぇ。
植物園は、鴨川の上のほうにありますから、
空気感がいいかしら、と思うんです。
日のとっぷり暮れた植物園でお月見、
なかなかオツだと思いますよ。
11日以外でも、こんな催しがあります。

9月20日(土)
遊空間 『Roji』
18:00〜
2,000円(席に限りがあります)
アクセス:地下鉄で京都市役所前下車


これは、友禅の呉服屋さんが主催。
町家の床(ゆか)で、
おいしいシャンパンをいただきながら、
名月をあじわう、というものです。
薩摩琵琶の演奏会もあって、ステキなんですよ。
でも、席がかなり限られていますので、
お申し込みになりたい方は、ぜひサカベまで
ご連絡をおねがいいたします。
── 床で、琵琶の音色に名月‥‥。
京都の月、眺めたくなってきましたよ。
じゃ、最後に、わたくしサカベの
とっておき月見スポットをご紹介しましょう。
それは、知恩院のとなりの
青蓮院(しょうれんいん)門跡寺院です。
ここには、古〜い大きなクスノキが
生えているんですけれどもね、
そこから見る月と言ったら!!
そらもう〜。
── そんなに!
もうね、日本画の世界ですよ。
ほんっっっと、うつくしい。
以前に、このあたりに、
夜にお遣いに行ったことがあって、
「なんや、大きい木がこわいな〜」と思って
歩いていたんです。
そしたらね、大木越しの夜空に
あかるくてきれいで大きなお月さまがいて、
むちゃくちゃ感動したことがあるんです。
以来、十五夜あたりは、
ここに足を運ぶようにしてるんですよ。
── クスノキ‥‥青蓮院のクスノキは、
京都の天然記念物なんですね。
樹齢800年。
近くに寄るとね、
木が古い時代のことをお話してくれるような
そんな気分になりますよ。
── たまりませんね〜。
でも雨が降ったらあきませんよ。
晴れの日でないと、日本画にならへん。
9月11日と20日は、
まだ「旅館 銀閣」の部屋に空きがありますから、
お申し込みの方は、ご連絡をくださいね。
13日、14日は「ホテル ニュー銀閣イン」のほうに、
若干の空き室があります。
── 日にちが迫っていますね。
みなさま、おはやめにどうぞ。
十五夜は、晴れますように。


京都まめまめ知識

【ほっこり】
京都で、旅館の部屋や料亭のお座敷に通されたとき、
「まあ、ほっこりしていっておくれやす」
と、声をかけられることがあります。
最近は一般的になりましたが、
この「ほっこり」という言葉、
ニュアンスとしては、
「ほっとして、ゆっくり、やすらいで」ください、
ということ。
「ほっ+ゆっくり=ほっこり」
なのかどうかはわかりませんが、
とにかく、「ほっこり」は、
親しみを込めたおもてなしの京言葉
(これが京言葉だという自覚は、
 京都の人にはありません)。
こう言われたら、気を緩めて、
のんびり京ペースの時間をおすごしくださいね。


【どんつき】
「どんつき」は、ズバリ
「つきあたり(T字路)、または、袋小路」のこと。
京都で道を訊ねると、
「あのどんつきを左に行ってもろて」
「そこから先は、どんつきですよ〜」
などと、普通に、よく言われます
(これが方言だという自覚は、
 京都の人には、あまりありません)。
一瞬ギョッとする語感ではありますが、
びっくりせずに「つきあたりのことだ」と、
思ってくださいね。

2003-09-05-FRI

BACK
戻る