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BEST STANDARD "T"
B.S.T.2003

好評の「立体ネーム・タグ」と
「ロゴ刺しゅう」、
こんなふうにつくられました!


ほぼにちわ、ハリーです。

きょうは、シャツそのものではなくて、
「立体ネーム・タグ」
「ロゴ刺しゅう」についてのお話です。

両方に共通することは、この2つが、
HOBOロゴマークのデビュー・アイテムとして、
つくられたということ。
この2つを通して、新しくデザインされたロゴが
みなさんの目に初めてふれることになるので、
開発の際には、色・大きさ・重さ・質感などについて、
それぞれ、かなり慎重に検討を重ねました。

そのかいあって、どちらも好評をいただいてるんですが、
その成り立ちについては、
いままで、あまりくわしく語ってきませんでした。

この機会に、開発の裏側をふくめて、
2つのアイテムについて、楽しくお伝えしようと思います!
どうぞ、楽屋へ、という感じかな。


「立体ネーム・タグ」の魅力

「どうしてもつくりたい!」
「これがついたら絶対にうれしいはず!」
という気持ちから、シャツの販売開始当日までねばって、
ようやく実現した「立体ネーム・タグ」。
ぼく自身は、シャツのおまけというよりは、
“シャツ+ネーム・タグで、
 ひとつの魅力的な商品ができあがる”

ぐらいの、重要なアイテムだと思っています。

完成品を作ってくれた工場の方々も、
大満足という出来上がりらしいです。


ず、手のひらにちょこんとのる、大きさがかわいい。
実際に手にのせてみると、意外に重さがあって、
しっとりと手になじむ感じ。これがうれしいんです。
ちなみに素材は、木ではなくて、フィギュアなどで使う
「ABS樹脂」でできているんですよ。



乗組員オガワの机の「立体ネーム・タグ」。
どせいさんとも仲良し。

「H」「O」「B」「O」、
4つのパーツに別れているので、「積み木」として、
自由に組み合わせたり、並べたりできます。
別にそれで何かの役に立つわけでもないんだけど、
ヒマがあると、ちょこちょこ動かしたりして、
なんか、ちょっといいんですよねー。



でにお持ちの方はお気づきだと思いますが、
ひとつの面だけじゃなくて、
4つの面、ぜんぶに顔があります。
どこから見ても、顔があらわれるようになってるんですね。
実は意外に、かわいさのポイントになっているみたい。


とは、色あいと表面の質感も見逃せない点です。
ロゴの、カラフルだけどやさしい色あいが、
忠実に再現されているのと、
少しザラついた感じの、マットな表面加工のせいで、
ぜんぜん安っぽくない!
不思議にずっと見ていても飽きないんですよ。

追加販売で初めてお申し込みいただいた方は、
シャツだけでなく、こちらも楽しみにしていてくださいね!


「立体ネーム・タグ」開発うら話

とまあ、今でこそ、
「立体ネーム・タグ」のできあがりの良さを
自信まんまんに語ることもできるんですが、
なんせ、積み木をつくるなんて初めてのこと、
完成までは、いま思いだすと笑ってしまうような、
手さぐりの試行錯誤もありました。

1)ミッドナイト・クレイ



ネーム・タグのサイズを決めるために、
粘土で積み木をつくってみました。
乗組員各自が、自分の手になじむ大きさでつくってみて、
どれくらいのサイズがいいか、検討してみたわけです。
不思議と、そんなに大きさのブレはなくて、
3人くらいが偶然、ほぼ同じサイズでつくっていたのが、
とても印象的でした。
結局、その3人がつくった大きさを微調整して、
完成品のサイズが決まりました。

ところで、この作業をやったのは、深夜の2時ごろ。
何人もの大人が、真夜中にもくもくと
粘土をこねている姿を想像すると、
「立体ネーム・タグ」に、さらに愛着がわきませんか?
え? そうでもない? うーん。


色もつけてみました。
角がどうしても丸くなっちゃうので、
実物の雰囲気をつかむのには使えませんでしたね。


2)展開図王・たびぃ

大きさは粘土を使ってうまく決められたんですが、
細かい部分の仕上げというのは、
やっぱり素人だからできないんです。
でも、デザインの細部を決めるためには、
できあがりの雰囲気が分かるものが欲しい。

ということで、紙で展開図をつくって、
組み立ててみることにしました。
その細工師に起用されたのが、
現在発送副隊長をつとめる、たびぃ。


展開図の一例です。


展開図を組み立てる、たびぃ。

ディテールが微妙にちがう展開図を、
何十個とつくらされていくうちに、ものすごくうまく、
組み立てられるようになっちゃいました。


そうとうホンモノっぽく仕上がります。

「もう、この紙の積み木でいいんじゃないか?」
などという発言が、他の乗組員から飛び出すほど。
まあ、そんなわけにはいきませんが、
でも、そのまま埋もれさせるには惜しいような、
妙な才能の開花なのでした。

組み立てられた展開図で、デザインが決定したのち、
こんどは原型師さんという、
プロの手で積み木のサンプルがつくられて、
ようやく完成版ができあがりました。

シンプルな四角のあつまりに見えるかも知れないけど、
「立体ネーム・タグ」にも、
意外に手がかかっているんですよねー。


胸の「ロゴ刺しゅう」には
こんな助っ人がいた!

すでに連載で何度か書いてきましたが、
味のある胸の「ロゴ刺しゅう」、これが、
今年のシャツのデザインのかなめになっています。
「立体ネーム・タグ」とは、
またちがった味わいの愛嬌もあります。

ところで、シャツのデザインを検討している段階では、
胸のワンポイントは、必ずしも刺しゅうとは
決まっていませんでした。
一般的なプリント、立体的な発泡プリント、
フェルトなど、さまざまな選択肢があったんです。

結果的には、
刺しゅうがいいということになったんですが、
最初はとにかく、刺しゅうでHOBOロゴを再現したら
どんな感じになるのか

そのあたりが、もうひとつよく分からない。

つくってみるのが一番いいんですが、
いちど刺しゅうの版(はん)をつくってしまうと、
あとから修正はきかないので、
いろんな大きさやデザインを試してみるとなると、
そのぶんだけ、版が必要になってきます。
そのコストは当然価格にはねかえってくるので、
そうそう気軽に試してみるわけにもいかない。

うーん、どうしよう、困ったなと思っていたときに
darlingが思いついたのが、
ミシンで有名なブラザー工業さんに、
協力をお願いしてみることでした。

「テレビで、刺しゅうできるミシンの宣伝とかしてるし、
 頼んでみたらどうだろう」

なるほど! というわけでお願いしてみると、
あっさりとOKしてくれたばかりか、
わざわざ名古屋の本社から、
ミシン持参でやってきてくださったんです。

ブラザー工業株式会社
パーソナル・アンド・ホーム カンパニー
結城英治さん(左)と小西展博さん(右)


さっそく、刺しゅう用ミシン、
「ソーングステーション『Innovis(イノヴィス)N80』」
と、オプションのソフト「刺しゅうPRO」を使って、
HOBOロゴマークを、その場で刺しゅうに!


「Innovis(イノヴィス)N80」 と
「刺しゅうPRO」



HOBOロゴマークの画像データを、
「刺しゅうPRO」に取り込みます。



「刺しゅうPRO」が勝手に、
糸の色や、刺しゅうしていく順番を分析して、
決めていってくれます。
うわー、これは楽だわ!
もちろん、自分で糸や刺しゅうのやり方を
カスタマイズすることもできるんですよ。


「刺しゅうPRO」でつくったデータをもとに、
「イノヴィス」が、けなげに刺しゅうを始めます!
人間は、指示にそって、糸カセットを取り換えるだけ。
いやはや、なんという便利な時代になったんでしょうか。
これが糸カセット。
ワンタッチで針に糸が通る、
画期的なしくみなんですって。


お、HOBOロゴがどんどんできあがっていく!


成です。できあがりもお見事!
家庭で楽しむぶんには、まったく問題ない、
すばらしいクオリティでした!

お借りした「イノヴィス」と「刺しゅうPRO」は
その日から大活躍、刺しゅうのデザインを決めるための、
頼りになる助っ人になってくれたのでした。
ブラザー工業さん、どうもありがとうございました!
まさに「ブラザー!」と呼びたい気分です。


「刺しゅうPRO」の使い方を
小西さんに教えてもらっている、うーさん。


製品になったシャツには痕跡を残していないけど、
こんなふうな、かげに隠れた形での
ご協力もいただきながら、
今年のシャツはできあがったんですよ。


きょうは、商品そのものから少しはなれて、
開発のプロセスや、舞台裏を、
ほんのすこしですが、ご覧いただきました。
みなさんのお手もとにある、あるいは
これらから手にされる、
「B.S.T.」「B.S.P.」「どせいさんコラボT」に
されに愛着をもってもらえたら、
こんなにうれしいことはありません。

さあ、明日28日は、
「B.S.T.」「B.S.P.」「どせいさんコラボT」全商品の
モデル着用写真を公開しますよ!

これから撮影です。いい写真が撮れるよう、がんばります。
楽しみにしていてくださいね!

2003-07-27-SUN

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