53
矢沢永吉、50代の走り方。

いつごろまでか、やたらに世代論が流行していた。
まるで世代同士が別々の民族をつくっていて、
対立しあっているかのように「世代」が語られていた。
しかし、矢沢永吉のコンサートで周囲を見回すと、
10代、20代、30代、40代、50代、さらに上の世代まで、
あらゆる人たちが、同じステージに熱狂している。

「矢沢永吉が53歳なんだったら、
 年をとることって、ぜんぜん怖くないですよね」
そんなふうに言われる、53歳になる男のことを、
しばらく追いかけてみようと思います。

アコースティックライブや
東京スタジアム5万人ライブをはじめとする
今年53歳を迎えたさまざまな動きは、
公式ホームページ「YAZAWA'S DOOR」でどうぞ!
こちら、毎日に近いほど、頻繁に更新していますよ。



































10月6日(日) 14時からのテレビ朝日系列で
矢沢永吉さんを特集した番組が放送されます!


みなさん、こんにちは。
今日はニュースがあって、緊急更新しています。

テレビ朝日系列
10月6日(日) 午後2:00〜3:25 で

『矢沢永吉 終わりなき旅』
が、放送されるんです!
(※テレビ朝日の番組告知ページはこちらです)

昨日(金曜)、たまたま別の打ちあわせでお会いした
矢沢さんの事務所のスタッフ・Tさんに
このハナシを聞き、その場で編集したてホヤホヤの番組を
見せていただいたら……すごく、かっこよかったんですよ。

ロサンゼルス郊外の砂漠まで
自らクルマを走らせる矢沢永吉さんが、
今夏のアコースティックコンサートの感触を
自然に、ゆっくりと、自信を持って語りはじめます。
ちょっとしたロード・ムービーのような番組なのです。

旅の合間には、矢沢さんの夏をふりかえるように
アコースティックライブの映像が、たっぷりと流されます。
本番直前の楽屋やリハーサルの様子も映されていますので、
「ほんと、豪華な番組になっているなぁ」と思いました。

番組を楽しみにしてくださっている方が大勢いるので
中身については、これ以上、お伝えをできないのですが、
「あ、これ、メモして、また思い出したいよ……」
と思えるような、骨のある言葉がいくつも登場するのです。

特に、夕暮れの砂漠、地平線を前にして
矢沢さんが、すこし長めに話すところに関しては、
これは、もうマジで、感動ものですよ!!!
その部分は、ぜひ、あなたが直に味わってください。

夏のあいだじゅう、ほぼ日で「53」を
ご愛読いただいたみなさんには、そうとうオススメ。
日曜のお昼は、この番組を、ぜひ見てみてくださいね。

……あ。
番組のビデオを観た直後で、思わず
興奮気味に話しちゃいました。お許しくださいませ。

今日はこのあと、オマケとして、
先日9月30日の「ほぼ日」表紙の言葉に対して、
たくさん寄せられた反響を、お届けいたしましょう。

なお、9月30日付の
「ほぼ日」表紙の言葉は、以下のようなものでした。







先日のロスでの矢沢永吉との話のなかで、
これはもう、すぐにでも
みんなに伝えたいと思ったことがあった。
テレビで放送する前に言ってしまうのは、
ややフライングなのかもしれないけれど、
予告編的な効果もあるし、許してもらおうと思う。
エーちゃんは、目の前に
「逃げ出したいくらいのプレッシャー」があるとき、
どうするかについて、
「いい方法があるんだよ、教えようか」と言った。
“負けるな”だとか、“がんばれ”を
自分に言い聞かせるということを、みんなやっていると思う。
たぶん、エーちゃんも、かつてはそうしていたのだろう。
でも、わざわざ「教えようか」とうれしそうに言うのは、
きっと何かふつうじゃない方法を発明したのだ。
「なになに?」誰だって聞きたい。
ちょっとうれしそうに、彼は言った。
「たのしめ」。
自分に「たのしめ」と言い聞かせてやるのだという。
ああ、そういえば、そんなことを聞いたこともある。
それは「食事は栄養バランスを考えて」という言葉と、
同じくらいよく言われるような「正しい当たり前」だろう。
しかし、エーちゃんが、あらためていい方法と言って
「たのしめ」を持ちだしてくるのは、これが
【ほんとうに効果のあるマジックワード】だからだと思った。
日曜日には、高橋尚子のマラソンがあった。
その後には、松井秀喜と福留孝介の首位打者争いがあった。
大変なプレッシャーのかかっている人たちだ。
高橋尚子については、小出コーチが試合終了後に、
「スタートラインに立たせてよかったのか」とさえ言った。
松井、福留の痛々しいほどに深刻な顔付きも気になった。
もし、ここにエーちゃんが現れて、
「たのしめ」と言ったら、どうだろうか。
ぼくは、もう、これからは厳しい状況に立ったときには、
幻のエーちゃんを登場させて、
「たのしめ」と言ってもらうことにしたよ。
誰か、松井選手にも「たのしめ」って言ってやってくれー。
松井秀喜、その「正しい当たり前」を忘れてるよ、たぶん。






では、プレッシャーに満ちた日々を
過ごしている人たちから届いたメールを、
さっそく、たっぷりめで、ご紹介していきますね。







・「たのしめ」。
 こりゃ、救われました。
 いや、ときどき、自分でも一番つらいときに
 「たのしもう」と考えてみるんですけどね。
 実際にはなかなか・・・・・。
 エーちゃんにはっきり言われると、
 いい意味で「背中を押される」気がします。
 マイケル・ジョーダンが
 「ここ一番の、もっともプレッシャーがかかるときに、
  なぜいつもシュートが決められるんですか」
 という質問に、
 「そういうプレッシャーのある状況が、
  好きで好きでしょうがないんだよ」
 と答えていたのを思い出しました。
 読んだときはさらっと流してたんですが、
 今回のエーちゃんのコメントで、あらためて、
 「たのしむ」ことの意味、ぐっと来ました。
 まあ、実際に「たのしむ」のは、
 なかなかむつかしいのですが・・・・
 とりいそぎ「たのしまねばならない」状況の者より、
 お礼のメールでございました。
 (匿名希望)



・今日19年間勤めた会社を辞めました。
 リストラです。
 大好きだった仕事ができなくなりました。
 解雇通告を受けてから、悔しくて、悲しくて。
 「残った会社の人を見返すぐらい、
  立派に生き抜いてみせる!」
 誓いを新たにしたものの、
 現実にどうしたらいいのか途方にくれています。
 こんな状況でかける言葉が見つからず、
 つい「かんばってください。」と人は言います。
 その言葉がなんだかプレッシャーとなっていました。
 でも、今日のダーリンで
 エーちゃんの『たのしめ』の言葉を聞いて、
 人を見返すよりも、「今の自分を楽しもう」の発想で、
 いままで忙しかった分、いろいろチャレンジして、
 目標をなにかしら見つけて、自分自身が満足いくように
 これから進んでいきたいな、と思います。
 昨日、40歳になりました。(独身・女)
 まだまだ生きていいかなければならない。
 現実は厳しいけれど、『楽しみます』
 (ゆ)



・今日の「たのしめ」のコラム、とてもよかったです。
 私、努力もしないで順調すぎるほど
 順調な人生を送ってきたツケが
 まとめて来ちゃったようで、ここ1年ばかりは
 「どうやったらこの状況を抜け出せるか」
 ってことしか考えられなくなって、
 経験したことのないくらい
 辛い日々を過ごしておりました。
 もちろん自己啓発的なテクニックとして
 「状況を楽しむ」という知識はあったんですが、
 それを実行に移す気力も沸かないまま、
 忘れていました。でも今日のコラムを読んで、
 楽しんでみようか、そうしよう!
 という気持ちが芽生えました。
 「53」で、糸井さんや板垣恵介さん他の
 矢沢永吉からパワーを浴びた人の言葉に触れ、
 「自分は(矢沢という)惜しいチャンスを
  逃し続けてきたんだなあ」と思っていました。
 今回の「たのしめ」すっと心に入ってきました。
 おかげさまで、というメールが書けるよう、
 楽しんで苦しみます。
 (ナ)



・朝から晩まで会議室に篭るって、しんどいですね。
 しかも同じ議題で1日中だと、集中力が続かない。
 う〜〜〜ん、気分転換のお昼ご飯くらいは、
 他の部屋で食べたいですわん。
 今、会議会議の仕事から帰ってきて、
 今日のダーリンを読みました。
 「たのしめ」……ステキっ!
 そうだよな、楽しまなくっちゃな。
 私は巨人の桑田君が大好きで、
 彼の「野球を楽しむ」っていう姿勢が大好きで、
 見習わなくちゃと思っていたにもかかわらず、
 まだ「たのしむ」ってことが
 自分のものになってなかったんだな〜と、
 エーちゃんの一言を読んで、改めて思いました。
 私にとっては昔からセクシーで憧れの男性のエーちゃんと
 高校時代から応援してる桑田君が、
 大変な事を目の前にするたびに、
 同じように「たのしめ」ってことをしてるのかと知って、
 この2人にも共通点があったのかぁ〜って
 目からウロコでした。そういえば、大好きな人も、
 恐ろしく忙しいスケジュールなのにも関わらず、
 仕事を「たのしもう」としてる。見習おう!
 言葉だけじゃなくて、自分のものにしなくっちゃ。
 エーちゃん、桑田君、それにエーちゃんの言葉を
 いち早く教えてくれたdarling、
 どうもありがとうございます!
 明日もあさっても会議室に缶詰だけど、
 よーーーし、楽しむぞー!!!
 (TULIP)



・おとといのダーリンで、
 矢沢永吉さんが窮地に追い込まれた時のキーワードが
 「たのしめ」だと紹介されていました。
 基本的に同じ事を言ってるのだろうと思うのですが、
 わたしのキーワードは「しめた!」です。
 高校生の時に、座禅に通っていた
 お寺の和尚様のお話に出てきたのです。
 「自分の力に余ることにぶつかった時、
  『しまった!』と後ろ向きに考えちゃいけない。
  それは、自分の可能性を試すチャンスなんだから、
  『しめた!』と喜んで全力でぶつかっていきなさい」
 わたしは小さい時から悪い方へ悪い方へ考えるタイプで、
 40過ぎた今もそれは変わらないのですが、
 今までの経験から、先のことをくよくよ心配しても、
 たいていはその心配していたことは実際には起こらず、
 本当に困ったことというのは
 思いもかけない方向から不意打ちでくる、
 ということに気づきました。
 それがしみじみ納得できる今では、
 困りながらもその状況を楽しめるようになりました。
 人生はモンティパイソン(古い!)の心境です。
 (くみ)



・武田百合子著「犬が星見た」という
 ロシア旅行日記のなかで、同じツアーの最高齢の方が
 いっつも「おもしろ、あーーおもしろ」って
 口癖で言っているのです。
 読んでるとその口癖がうつってしまいます。
 そして、おもしろくなります。
 矢沢さんの「たのしめ」と似てるなと思いました。
 (kawakami)



・こんにちわ、たのしめ!で思い出しました。
 わたしが大学の入学試験を受けた時の話です。
 試験の時、まず解ける問題から解けっていいますよね。
 そう思って数学の試験問題めくっていくと
 解けそうなのは一問もなく、
 最後のページにたどりついちゃいました。
 「はぁ〜、もうだめだ」と思って
 時計をみたらまだまだ時間があって退室できない。
 「しかたないこれはクイズだ。
  これでもやって時間をつぶそう」
 と気持ちを切り変えて、知ってる限りの
 公式をあてはめたら不思議と解けちゃって
 楽しくなっちゃって「じゃあ次」とやってるうちに
 ぜーんぶとけちゃって合格しました……。
 (ミリオネラ)






マジックワード・「たのしめ」には、
ほかにもたくさんのメールをいただきました。
どなたも、ほんと、たのしめるとイイですね!

このコーナーへの感想などは
メールの表題に「53」と書いて

postman@1101.comに送ってくださいませ。

2002-10-05-SAT

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