文字版「おしゃれとセンスはゲイに学べ!」
を学んでいる人に学べ!
VOL.2

ほぼにちは!
ほぼ日新人乗組員のサトウ(女)です。
「新宿二丁目のほがらかな人々」の合い言葉は
「おしゃれとセンスはゲイに学べ!」
ということで、わたしもちょっとレポートを
書かせていただいております。
ゲイとは切っても切れないファッション業界。
そこで働く女性たちに
いろいろとお話を伺ってきましたよ。
第2回目は、ファッション誌の編集者、
佐藤さんの登場です!


佐藤さんは、
ファッション誌の編集者ということで、
もちろんお仕事関係でもゲイの方との
おつきあいがあると思いますが、
ご家族にもいらっしゃるんですよね?
はい。兄がゲイなんです。
お兄さんがゲイだということに
気づいたのはいつですか?
私が中学生で、兄が高校生だった頃かな。
でも、その時はちゃんと彼女もいたから
別に気にしていませんでした。
しばらくして、私が高校生になったある日、
兄はすでに家を出ていたんですけど、
母が電話口で兄と話している声が
聞こえてきたんです。
「●●ちゃん(佐藤さんのこと)には
  言っちゃダメよ」
って母が言っているの。
私は
「なになに?

 聞こえているんですけど」みたいな。
でも、なんとなくピンときて
「知ってるもん!」って言ったら
「知らなくてもいいことがあるのよ!!」って、
すっごく怒られてびっくりしましたね。
お兄さんがカミングアウトした時、
佐藤さんはどう思いましたか?
抵抗なく受け入れられました。
その時つき合っていた彼が
ステキだったからっていうのもあったかな。
女性から見ても憧れちゃうような、
インテリジェンスがあり
かっこいい外国人だったんですもん。
ご家族の反応はどうでしたか?
父は、最初からゲイであることを
認めようとしていましたね。
認めなきゃやり切れない
っていうこともあったと思うけど、
自分の子どもを

否定することはしたくない
って。
母は、大切に育ててきたから、
その分ショックが大きかったみたいでした。
しばらく呆然としていたんですけど、
父がゲイの本を買ってきて、
家族みんなでゲイについて知ろうとしましたよ。

とても前向きなご家族ですね。
お兄さんはおうち

彼をつれて遊びに来たりするんですか?

来たこともありましたね。
あと、日本人をよく知っている
外国人の方がいらした時は、
菓子折りを持って来たりしましたよ。
「つまらないものですが」と言って。
あはははは。
おうちに菓子折りを持ってくるって、
よく考えるとすごいですね。
ところで、お兄さんがカミングアウトした
キッカケってなんでしょう?
先に言っちゃったほうが
ラクだからじゃないでしょうか。
ある年齢になってくると、
近所の人から「ご結婚は?」とか聞かれたりして、
隠し通せるものでもないし。
それに別に悪いことを
しているわけではないでしょう?
お兄さんがゲイに目覚める要素や徴候は
生活の中にあったと思いますか?

昔から異常にきれい好きでしたね。
兄はシンプルなものがすきなので、
私がレターセットとかシールを集めているのも
すごい、いやがられましたよ。
「君の部屋は無駄なものだらけ」って。

きっと他人に対しても
「こうあってほしい」という

美意識があるんでしょうね。
きっとそうです。
そういえば、
私は床に座るのが好きなんですが、
「床に座るからスタイルが悪くなるのよ!」
と言われたこともありました。
それと、一緒にお買い物に行くと
「離れて歩いて」って言うんですよ。
えー、なんでですか?
女の子と歩きたくないということでしょうか?
違うんです。
「もっとかわいくなってね」って
いう意味ですかね 。(笑)
ひえー、きびしいですね。
洋服なんかについてもそうですか?
私は黒い服が好きでよく着るんですが、そうすると
「Xのファンじゃないんだから、
 そんなのやめて!」って。
やっぱり「シンプル」ということが
キーワードのようですね。
日本人と外国人のゲイ、なにか違いは感じますか?
外国のゲイはゲイであることを恥じていないし、
周りも認めていますよね。
ゲイ本人より、
周囲の反応のほうに違いを感じます。
まだ、母がゲイを理解しきれていなかったころ、
一緒にサンフランシスコに行ったことがあるんです。
むこうはゲイもたくさんいるので、
一般の人たちも彼らを
「人間」としてちゃんと扱っている。
母もそれを自分で体験して、
一気に理解できたみたいです。
「かっこいい人みんなゲイなのね。あら〜」なんて、
変な安心感も持っちゃったみたいですけど。
そういう意味では、
日本はまだまだ閉鎖的だと思います。
日本人のゲイは会社では言えない、
言わない方が楽、仕事がしやすいですよね。
それが唯一、OKなのがファッション業界、
そして「二丁目」という特殊な場所があるのかなぁ。
ゲイの友だちと男女の友だち、違いはありますか?
あるゲイの友だちがいるんですが、
彼は周りを歩く人を、
ことごとく否定するんです。
「もぉ、きたないわねぇ!」とか、
「くさいわ」、「下品!」って。
それと、洋服が気に入らないと
着替えに帰っちゃったりするの。
しかも突然。
それはすべて
「美」に妥協しないから
ですよね。
そういうのが私もわかっているから、
まったくいやじゃないんですよね。
ウソがないからラクチン。
そういう意味では同性よりつき合いやすいです。
最後に、家族にゲイを持つ身として、
なにか一言ありますか?
今の時代ならではの、
すてきなことだなって思います。
「そういう人もいるんだ」
って、理解してほしいですね。
彼らは本当にナイーブだから、
簡単に否定はしないでください。
私たちと、なんら変わりはないんですもん。

2003-04-28-MON

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