近況報告でございます。その3
詮索しないのと無関心は違うのよ。
ジョージ 今迄ね、恋愛については、
いろーんなことで、
苦労もし、失敗をしてきたわけよ。
ノリスケ 学んで来たわけね(笑)。
ジョージ 結論めいたことを言えば、
彼が僕と一緒にいるときに
ほんとに幸せだったらいいわけなの。
たまにね、ほんとに寂しくなったら
平日でも会いに来たりとかするじゃない?
つねさん うん、飯食おうよとかね。
ジョージ SOSが出ない限りは
その人はその人で幸せなんだから、
あんまり干渉しない方がいいなあとは
ずっと思ってたわけよ。
つねさん だから、結局ほら、
一緒に住んでも別々の部屋って
要るっていうじゃん。
ジョージ 会えないときのことをいろいろ
詮索する人がいっぱいいたの。
ノリスケ いるね。
つねさん いるね。
ジョージ なんでなんだろう、あれ。
ノリスケ めんどくさいね。
ジョージ うーん、今日、何したの? とか。
つねさん いいじゃん、別に、って(笑)。
ノリスケ そう、今日、何したの? が
普通の会話ならいいと思うよ。
だけど、あきらかに
詮索したい、非難したいんだろっていうのが
はっきり分かる人いるよね。
つねさん そうそう、うん。
ジョージ 「友達が、あんた、2丁目の近所、
 今日、歩いてたって言ったんだけどほんと?」
とかって言われたら
「そうだよ」って答えるけど、
「なんで?」って聞かれると、ねえ。
エッチなビデオ買ってた、
とか言わなくちゃいけないの?
なんで? なんで?
つねさん いいじゃんね、別に。
ノリスケ (笑)。
ジョージ いいじゃんて言われると
すごくありがたいんだ。
それでいいじゃんて言う人は、
「なんで歩いてたの?」って
聞かないんだと思うんだ。
ノリスケ ああ、ああ、ああ。
つねさん たとえばエッチなビデオを買うんだったら
別に構わないわけでさ。
それが、エッチそうな人と
一緒に手をつないで歩いてたんだったら
ちょっと考えるよ。
ノリスケ それはちょっとね、ちょっと困るよね。
それ、やる方もバカよ。
つねさん そうそうそうそう。
ジョージ 見つかるようにしたいんだものね。
だからありがたいなと思うの。
お互い詮索しなくて済むって。
ノリスケ なるほどね。
聞くだけヤボでしたっ。
つねさん ノリさんも詮索とかはしないでしょ。
ノリスケ しない、しない、ゼロ。ナッシング。
ジョージ ナッシング。
つねさん ナッシィング。
ノリスケ ナッシィーング。
ジョージ でもそれって無関心とは違うでしょ?
ノリスケ 違う、全然違う。
うちも取り決めはしてないねぇ。
たまたまそういう人だから。
うちは個室ないけどね。
つねさん あ、そうか。
ノリスケ 1LDKに住んでるから
狭いながらも楽しい我が家で。
つねさん この間、ノリさんの彼に道で会ったよ。
ノリスケ あ、言ってた、言ってた(笑)。
ジョージさん、変わったっつってたよ。
つねさん 変わった?
ノリスケ どう変わったのっつったら、
丸くなったって言うから、
太ったって意味かと思ったら、
違う、人間が丸くなったって。
ジョージ そりゃあ丸くもなろうものでございましょう。
もう50年よ、50。
ノリスケ 向こうから挨拶してくれたって(笑)。
前はね、会ってもね、逆だったって。
ジョージ つーんとしてたって?
つねさん そうなんだ。
ノリスケ ビックリしてたよ(笑)。
ジョージ そーれは、よぉーく、言われる。
一時期、林寛子みたいなオカマって
言われてたことあるけど。
ノリスケ その例え、分かりにくいけど。
ジョージ あのー、どういうの、
二丁目歩いてって、
あの人、後ろにつっ転ばないかしらって
思うぐらいに鼻高々で歩いてたって
言われたことある。
つねさん あ、そうなんだ。
ノリスケ 反っくり返ってたんだ。
つねさん すげえ。
ジョージ 今はね、うつむいて歩いてるものね。
50になって申し訳ありませんっ、
みたいな感じで。
ノリスケ そんな殊勝な。
つねさん 絶対ないって。
ジョージ (笑)。
ノリスケ まあ、そんなわけで
文庫になりましたと。
つねさん おめでとうございます。
ノリスケ これね、角川の、あの、
辣腕女性編集者が
編集してくれたんですけど、
とっても上手にまとめていただいて
面白かったです。
ジョージ 僕、彼女、大好き。
すごーいね、いい女よ。
ノリスケ あいつね。
つねさん あいつ(笑)。
ノリスケ いや、僕の好きな話はね、
パリに行って来ましたの、
って言われたんですよ。
パリはいいとこですわねえって言うの。
ああ、いいとこだよねえって言ったらね、
パリの殿方は腕時計を
持ってらっしゃらないんですねって。
つねさん どうして? って(笑)。
ノリスケ いや、そんなことないでしょって言ったら、
でも街を歩いておりますと
殿方が今何時ですかって訊かれるんですのよ。
何時ですよって教えてさしあげると、
お礼に食事でも一緒にいかが?
っておっしゃるから、
ハイって言ってごちそうになって、
ではさよならって帰って来たものですから、
あたくし、一度もひとりで
食事をしませんでした。
つねさん ひとりでご飯を(笑)。
ノリスケ えーっ、パリってそんなとこ?
つねさん 知らねえ(笑)!
ジョージ 昔のボクだったら
サンフランシスコの
カストロストリートで
似たようなお話はあったかも分かりませんけれど。
つねさん あんた食事で終わらんやろ。
ノリスケ あのさ、
アジア人の好きな白人て
とくに若い子が好きなんですかね?
ジョージ えっとね、お肌がツルツルしている子。
ジャニーズっぽい子たち。
ああいうの大好きよ。
ノリスケ アジア人が好きといっても、
アジアのおっさんが好きな白人は
あまりいないのか‥‥。
ジョージ 昔、アメリカ、ヨーロッパから
日本に駐在でやって来てらっしゃる
ゲイの方々を集めたパーティとかに、
お呼ばれしたの。
すると、もう一切関心持たれないもんね。
つねさん なるほど。
ジョージ ただね、会社の命令でしぶしぶやって来た、
駐在の人たちがたまに熱烈に、
あ、日本にもこういうタイプが
いたのだということで
重宝召されたことはあるんですけれど。
ノリスケ 重宝召される。
ジョージ ほんと日本語っていい言葉だわ。
だけど、その、自ら志願して
日本にやってくる人たちは
もうツルンツルンのお肌が大好きよ。
それで、鎖骨ラブみたいな感じ。
ノリスケ 鎖骨って何のことかなぁ?
とんと、見てないなぁ?
つねさん うっひゃー。
ジョージ 見た、最近?
つねさん ねえ、知らないよね。
埋もれてるよね。
ジョージ そういう人たちは、
本国にいるとわりと地獄なんだよね。
少年愛の方に向かっていくと‥‥。
ノリスケ 犯罪になっちゃいますね。
ノリスケ だから日本にやって来ると、
ああ、なんて素敵な天国なんだろうと。
少年に見える成人男子が
いっぱいいるわけだから。
でも、それはね、日本に好んでやってくる、
女性が好きな男性も一緒かもしんないけどね。
  (なるほどな。つづきまーす)

2010-03-26-FRI


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