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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

不景気になんか負けないわ。その6
ブッシュがゲイだったらね‥‥


ノリスケ 夢とか振り返るっていうことを、
実は今ちゃんとやってるのが
NHKかなっていう気がしたんだけど(笑)。
ジョージ うーん。そうだね。
ノリスケ プロジェクトXがそうでしょう。
ジョージ うん、そうだと思う。
ノリスケ で、中島みゆきがそうだよね。
今何をしたらみんなが
夢を取り戻せるかっていったら、
NHKがやってることだと思って、
まるで昭和の高度成長時代に
いるみたいなことを
敢えて今、一生懸命やってる気がした。
ジョージ うん。そうなんだよね。
で、あの頃の活力と言うかね、
あの頃の燃え盛る

エネルギーみたいなヤツ? 
あれは必要だと思うよね。
ノリスケ うん。
ジョージ でもプロジェクトXを見てる
おじさんたちの、
多分半分以上は、
あの頃は良かったっていう
ノスタルジーで終わっちゃうんだよ。
ノリスケ そっか〜。
ジョージ だけど、あれを見ながら
ああ、そうか、あの頃はほんとに、
「良かった」んじゃなくって、
「俺らはがんばったよな」って。
「今あの頃みたいに
 俺らってがんばってるんだろうか、
 がんばってないよな」って。
「何であの頃がんばれたんだろう、
 子供もまだちっちゃかったし、
 家も持ってなかったし、

 車も欲しかったし、
 だからがんばれたんだよな」。
つねさん

うん。

ジョージ 「今俺ら、何でがんばれないんだろう。
 子供も大きくなった、
 車もあるし、家もある。
 いいか、貯金食いつぶせば‥‥って、
 これじゃあがんばれないだろうよ」
っていうところに気がつけばね。
つねさん

うん。

ジョージ そん時にそっから先
がんばらなくていいやっていう
人生の選択肢もあると思うのよ。
でも、そうじゃなくて、
せっかく一緒にがんばってくれた
嫁さんと2人で5年後くらいに
世界一周のクルーズかなんかして、
それでもう一回人生を考えれば
幸せかもしれないなと思って
一花咲かせるとかね。
ノリスケ うんうん。
ジョージ そういうのはすごい大切。
で、新しい夢を守り続けるために
昔見た夢を思い出す。
つねさん

でも思い出して
郷愁に浸るだけじゃだめなんだ。

ジョージ そう。絶対そう。そうだよ。
ねえ。ものすごく長いスパンで考える。
直近のスパンは、
ノリスケ ファーストクラスだとか
リゾートだとか?
ジョージ I'll be back.っていうヤツ。
いろんなところに行って。
ニューヨークのタイムズスクエアの
真ん中に立って「戻って来たわよ!」、
アマヌサのプールサイドに立って、
「戻って来てやったわよ!!」って。
それが直近の夢。
つねさん

うん。

ジョージ ねえ。で、その次の目標は、
とうとうここまで自分もたどり着いたわね、
みたいなヤツも。
あなた(つねさん)と2人で
ニューヨークに1年の半分くらい
住めるようになりたいなとか。
ノリスケ いい夢だね。
つねさん

いいね。

ジョージ そう。だってね、
煩わしいことからは、

やっぱり逃げたいもの。
そのためには、一番最初に
不景気から逃げとかないと
いけないっていうのがあるんだよね。
みんなさあ、不景気を隠れ蓑にして、
自分の努力を棚上げしてるような
気がするんだよね。
つねさん

ああ。そうだと思うよ。

ジョージ 今がんばったって周りが不景気だから
仕方がないって思ってるんだと思うんだよ。
それが逆にある意味刹那的な
景気のいい消費につながってる部分も
あるかもしれないんだけど。
まあ、それはそれでよしとして、
だけど逃げないで。
ほんとは今の不景気から
逃げないといけないんだっていう。
つねさん

うん。

ジョージ ねえ。
ほんとに日本がんばりましょうよ〜。
ノリスケ それ、月だったのに太陽となるべく
私たちは何をすればいいかしら。
直近の夢はとりあえず復活すべき、
というほかに?
ジョージ うん。あのね、
もう逃げ隠れしないことかもしれないね。
例えばものすごく有名になっていく
ほがらかさんたちっていうのは
日本に対してものすごい恩返しが
できるかもしれないんだよね。
だってさあ、不景気だけど
ほがらかにいきましょうよっていうのは
すんごい、すんごい素敵だもん。
ノリスケ そうだよ。大事なことだよ。
ジョージ でね、
今度会社のことでごたごたがあって、
旧勢力の人たちと

私たちのような新興勢力の
戦いというのがあったわけよ。
ノリスケ そうなの? ちょっと待って。
その私たちっていうのは何を表してるの?
ジョージ 私たちというのは、
僕のような仕事の仕方が

とても好きな人たち。
会社というのは人々の幸せのために
最適化されなくてはいけない。
ノリスケ うん。
ジョージ で、旧勢力の人たちというのは、
人々の幸せを犠牲にしても
最大化しなくては

いけないという勢力があって、
そことのけっこうな喧嘩があったりとかしてね。
で、そん時に僕と

一緒に考えてくれた人たちの
1/3くらいは僕がゲイだって
知ってる人たちだよ。
ノリスケ うん。
ジョージ でね、もうほんとに丸2日くらい
泣きっぱなしだったりとかね、
もう仕事辞めてしまいたかったりとか、
いなくなってしまいたかったりとかしたの。
ノリスケ くらげのように水に溶けて。
ジョージ そうそうそうそう。なんだけど、
そん時に彼らが必ず言ってくれたのがね、
「真剣は大好きだけど深刻は嫌いだった
 あなたの生き方が好きだったから
 ついて来たのに」とか。
ノリスケ うんうんうん。
ジョージ 「深刻なことを
 ニコニコへらへら笑い飛ばせる、
 いい意味での不真面目さが好きだから」
とか言ってくれて、
それって子孫を作る義務を背負っていない
僕達ならではの生き方だよね。
ノリスケ うん。
ジョージ で、今の社会に一番欠けてるとこよ。
例えばさあ、
ジョージ・ブッシュがゲイだったら、
サダム・フセインがオカマだったら、
絶対今度の戦争は起きないんだもん。
白か黒かハッキリさせないと
気が済まないっていう、
そういう生き方は僕らは
一回もしてないんだよね。
僕らの中には白と黒が
シームレスにマーブル状になって
あるわけであって。
だから、何かいろいろ考えるの。
つねさん

うん。



いなくならないでね。つづきます。

2003-04-10-THU

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