「右往左往」ではなく(3月15日)

・余裕のある時だと、
 リスクを最小限にして、なにかを成功に導く、
 というようなことはいくらでもあります。
 ちょっとでも危険があったら、
 それは待とうとか、やめておこうという判断もできます。
 
 でも、いまのような非常時では、
 右に進んでも左に進んでも、大きなリスクがあります。
 平常なときのような反対だ賛成だというレベルでなく、
 生命に関わるような問題に、
 どちらかの判断を下さなくてはならない‥‥。
 ふだんは、気のいいおじさんだったり、
 やさしいおとうさんだったりする人が、
 リーダー役を引き受けて、
 いまも、ひっきりなしにリスクをともなう判断をしてる。 
 そのことを想像すると、ほんとうに
 「お疲れさまです」と頭が下がります。
 
・こういう状況ですから、ぼくらの行動についても、
 右に行くか左に向うか、どちらかをあきらめたり、
 切り捨てたりするような判断がでてきます。
 右往左往して止まっていることができないのです。
 たとえば、突然の地震にあったときに、
 どっちに逃げるか迷ってるわけにはいかないでしょう。

 ぼくは、こういうときには、
 「どちらの判断も尊い」と思うことに決めました。
 「右往左往」して何にもならないよりは、
 反対側のリスクを覚悟して「右往」のみに決める。
 そういうふうに判断していきます。
 行けなかった反対側が少数になるのか、
 多数になるのかもわからないのですが、
 「判断をしない」のがいちばんよくないのです。
 
・今日から『東日本大震災のこと』という
 臨時ページがはじまります。
 そこでも、ぼくらのいくつかの「判断」があります。
 反対意見の方もいることをわかっていても、
 「右往」すると決めたこともでてきます。
 こういうことも、「いま」の状況なんだと思っています。
 
今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
地震の臨時ページ、数日で全体が見えてくると思います。

「今日のダーリン」より