『新選組!』
with
ほぼ日テレビガイド
第29回「長州を討て」を観て。

永田 第29回を見終わりました!
西本 お疲れさまでした!
糸井 じゃあ、また軽いところからいきますか。
永田 ああ、そうですね。
今回はまた重い話でしたし。
西本 そういうことであれば、
日曜日の話からはじめるべきでしょう。
糸井 いいですね。
西本 じつはぼくら、
いま観たのは2回目なんですよね。
我々は、先日の日曜日、
「ハイビジョンで『新選組!』を観よう」
ということで、一度集まって観てるんです。
永田 そうです、そうです。
で、場所はどこでしたか?
西本 都内某所にある、男子部部長宅です。
大画面プラズマディスプレーのある、
上司宅です。社長宅です。
糸井 まあ、つまり、オレんちだな。
永田 手ぶらでうかがいましてすいません。
西本 ヨメまで連れていきましてすいません。
糸井 こちらこそ、おかまいもしませんで。
永田 いやいやなにをおっしゃいますやら。
西本 もともとは糸井さんから
突然出された企画でしたけど、
我々はそれに飛びつきまして。
永田 まさに慌てて馳せ参じたと。
西本 ぼくは仕事の打ち合わせだったんですが、
時間を繰り上げてもらいました。
ちなみにこの仕事とは
本日、7月30日金曜日18:30より
池袋西武コミュニティーカレッジから
ほぼ日でもインターネット生中継をする
「永江朗、糸井重里 体験的コトバ論」
のことであります。
男子部部長こと糸井重里が
2時間みっちり話すトークイベントです。
ぜひとも、ごらんください。
糸井 あいかわらず宣伝上手ですね。
永田 ちなみにぼくは親戚の集まりを抜けて
うかがいました。
クニコおばさん、すいません。
糸井 「クニコおばさん」(笑)。
永田 いや、これがね、説明が難しくてね、
「どうしても仕事で」って言うと、
「なんなの?」ってことになるじゃないですか。
ま、たしかに仕事ですけどね、そうはいっても、
「ドラマ観に行くんです」とは
言えないじゃないですか。
西本 親戚には伝えにくい話ですね。
ぼくは、違った意味で苦労しましたよ。先方に
「ちょっと時間をずらしたいんですけど」
って言ったら、「『新選組!』ですか?」って。
糸井 バレてる(笑)。
永田 まあ、とにかくおもしろい経験でした。
糸井 ハイビジョンはどうでしたか?
西本 大画面のキレイさもさることながら、
サラウンドの音がよかったですねえ。
ジョン・健・ヌッツオの、
声の張りが違いましたよ!
糸井 いいでしょう?
永田 ぼくの感想としてはですね、
ま、こんなこと言うのも、
いやらしい話ですけどね、
プラズマディスプレーよりなにより、
糸井さんちがキレイだってことですよ。
糸井 あちゃあ(笑)。
永田 広くてムダなものがなくて感じよくて、
そりゃプラズマも映えるわな、っていう。
西本 いい環境でしたねー。
永田 いい環境でしたよー。
うちじゃあんなでかい画面
無理だっつーの。
糸井 なんでちょっと怒ってるんですか。
永田 これは、失礼しました。
西本 まあ、そんなこんなでハイビジョンで
『新選組!』を観て、そのあと
みんなで餃子を食べに行ったんですが、
そこで、『新選組!』の話は‥‥。
さんにん 一切なし!
永田 つまり、「『新選組!』の話は、なしな」
っていうことで、我慢して。
西本 まさに、奥歯に「誠」がはさまったまま。
糸井 うまいこと言いますね(笑)。
西本 それで今日、あらためてまた
3人で『新選組!』を観たと。
糸井 でも、どうですかね、それ。
同じメンバーでドラマを
2回も続けて観ているっていうのは。
永田 はっきり言って、異常です。
ある意味、アホみたいです。
西本 ええ、一般サラリーマンの世界では
ひじょうにおかしいことです。
糸井 集まって1回観て、
感想はしゃべらないでおいて、
もう1回観たところで
あらためてしゃべりはじめる、と。
西本 それを録音して起こして
編集して記事にする、と。
永田 こんな仕事、クニコおばさんに
説明できるかっつーの。
糸井 しかしまあ、デジタル放送を観て、
そのあとの放送も観て、ある意味、
我々は味わいつくしているということですね。
永田 ええ。テレビ消費者の鏡ではないでしょうか。
糸井 NHKの人も喜びますよ。
さらに言えばNHKの集金人でさえも
喜ばせるようなことですよね。
西本 まさに、まさに。
ついでにぼくはここで宣言しておきます。
NHKの集金の人!
いままで受信料払ってなかったけど、
『新選組!』に払うつもりで
これから払うことに決めました。
そろそろ、とりに来てください!
永田 勝手なこと言うなよ。
西本 そして、「新選組シール」みたいなものが
あったらください!
糸井 それはぼくにもください!
永田 そんなシールありません。
払ってるけど、もらったことないです。
西本 あ、払ってるんだ?
永田 うちはねえ、取り立ての達人が来るんですよ。
それでついつい毎回払っちゃうんです。
糸井 え、どんな人なんですか。
永田 めちゃめちゃ弱いんです。
「ピンポーン」って鳴って、
「どなた?」って出ると、インターホンから、
「‥‥ぇ、NHKですけどぉぉぉ‥‥」
って、すっごく弱々しい声がするんです。
泣きそうな声なんです。
それで、払っちゃうんです。
西本 あ、それは払っちゃうわ。
うまいね、それ。
糸井 しっかし、
『新選組!』の話にいかないですね!
西本 ずいぶん、いかないですね!
永田 ‥‥これは例の傾向じゃないですか。
内容について話しづらいと
枕が延々と続くという。
西本 ここはひとつ、糸井さん!
永田 お願いします! 切り込み隊長!
糸井 社長に切り込み隊長をやらせる気か。
永田 だって、池田屋に切り込んだのは
近藤勇だったじゃないですか!
西本 「局長」!
永田 「しげちゃん、うしろだ」!
糸井 やかましい。
ふたり お願いします。
糸井 わかりました。
今回、ぼくがいちばん感じたのは、
「幕府は終わってるんだな」ってことです。
それがはっきりわかる回でしたね。
永田 ほうほう、なるほど。
糸井 つまりね、天王山という場所に、
山口県代表のみなさんがだよ、
軍服着て武器を持って立てこもって、
そこから実際に戦いをしかけているわけですよ。
そんなことが行えちゃえるような
時代だっていうことです。
ようするにもう、抑えがきかなくなっている。
いわば、ある県代表の人が
クーデターをしかけているわけですよね。
まあ、負けたとはいえ街に火もつけられてて。
つまり、もはや京都の治安は
たいへんなことになってるわけです。
幕府も見回り組なんてものを、
いちおうは派遣してますけど、
所詮、付け焼き刃なんですよね。
その、混乱しているムードを、
捨助を狂言回しにしながら表現したわけですよね。
だから、まあ、重い話ですよ。
これからどんどん希望がなくなるぞ、
っていうことですよね。
西本 それは感じました。
あの、佐久間象山先生が斬られましたよね。
演出でおもしろく見せてはいるんだけど、
あんなことが白昼堂々と行われていることが
ぼくは、ちょっとショックでした。
永田 隠密、潜伏、暗殺、
っていう感じじゃないんだよね。
それにかぎらず、
今回はすべてが白昼堂々でしたね。
糸井 先週も言ったけど、もう、
あと4年で明治維新なんだよね。
ほんと、終わりに向かってる感じがしてね、
切なかったですよね。
西本 新選組の屯所での風景も、
これまでとは雰囲気が変わってましたね。
今までは木刀をもって
コントみたいな練習が行われていたんですけど
今回は刃のついた槍でつくという
実戦よりの稽古になってましたからね。
また、実戦と関係なさそうな勘定方まで
やらされているあたりがつらい。
糸井 ヘルタースケルターなんですよ。
だけど、町人の人たちは、
落ち武者をかくまってるような人たちは別として、
昨日と同じ暮らしをしているわけですよね。
捨助なんかは大騒ぎしていろんな場所にいるけど
あいつは根本的になにも変わってないからね。
永田 今回の主役でしたね。
今後どんどん話がそっちに進むほど
捨助の存在だとか、視点が
重要になっていくんでしょうね。
西本 桂小五郎が
「京都の様子を詳しく教えてくれ」
という役割を捨助に与えたのも、
今後、ドラマ上での狂言回しの役を
担わせるためですよね。
糸井 混乱のなかの、視点としてね。
このあとはめまぐるしいはずですからね。
だって、いま薩摩は
長州を討つ側にいるじゃないですか。
新選組と西郷隆盛がつるんでますからね。
ところが、いずれは薩長になるわけですよ。
だから、どっちに向かっているのかが
誰にもわかってないわけですよね。
早い話が、みんなが言っているのは
「オレの時代が来る」ってことで、
それ以外は言ってないんですよ。
「オレの時代ってどんな時代?」っていう
図面を書ける人がまったくいない。
佐久間象山先生が
「心に誠があれば通じるのじゃ」って
言っているだけで誰もわかってないんです。
永田 佐久間象山先生がほかの人より
ひとつ上にいるっていうのは
そこだけなんですよね。
「ほんとうのことは誰にもわからん!」
っていうことを、
わかっているのがあの人しかいない。
糸井 そこだけです。その象山もいなくなったいま、
まったく前の見えない人たちが
斬り合いをしてるんですよ。
それは、イヤですよねえ。
永田 だって、全員が「正義」ですからね。
糸井 自分ではね。
「オレが天下をとれば」とか、
「オレがあいつを憎らしい」とかね。
もう、ヘゲモニー争いでしかないんですよね。
永田 へげもにー?
西本 え? なにモニーですか?
糸井 「ヘゲモニー」がわかりませんか。
西本 知ってます?
永田 知らん。
糸井 主導権だよ。主導権争い。
永田 だったら「主導権争い」って
言えばいいじゃないですか。
西本 そうですよ。
糸井 バッカだなあ。こういう細かいとこで
ちょっとでも格を上げとくんだよ。
親戚にもうまく説明できないような
バカな企画やってるんだから。
永田 あ、なるほど。
西本 いっそ「ヘゲモニー」の
Tシャツをつくっちゃうのはどうですかね。
糸井 カタカナで、「ヘゲモニー」!
永田 挨拶として流行らせるのはどうですか。
糸井 「よぉ、ヘゲモニー!」つって。
永田 「どうも、ヘゲモニー!」
西本 「先日はヘゲモニーでした!」
糸井 こんなこと話してていいんですか。
永田 ドラマの話に戻りましょう。
西本 ええと、時代が混沌としていて、
どんどん重くなっていくね、と。
糸井 うん。だから、爽快感なんていうものは
どんどんなくなっていきますよね。
それは、ドラマつくるほうとしては、
たいへんでしょうねえ。
たのしさをどう保証していくのか
ってことになるから。
でも、観るほうは、
真剣になって観てますよね。
西本 ええ。真剣です。
日曜日に観たあとは、家に帰ってからも
ちょっと空気が重かったくらいです。
ぼくもヨメも、無口でした。
永田 でも、それが幕末ですからね。
糸井 あの、単純に個人的な好奇心ですけど、
幕末好きの人っているじゃないですか。
そういう人たちは、ああいうのを観ても
重い気持ちにはならないんですかね。
ちょっと訊いてみたいですね。
どういうふうにたのしむのかってことを。
永田 ああ、ぼくら3人とも、
幕末好きっていうか、
歴史が好きで詳しかったりって
わけじゃないですからね。
西本 ええ。そこは、
かいかぶらないでほしいって気持ちがあります。
ぼくなんかは、まあ、
「日本史は選択してましたけど」
っていうレベルですよ。
永田 ていうか、たんに、
「『風雲児たち』はおもしろいよね!」
っていうくらいのところが
ぼくらの等身大ですから。
糸井 あ、そういえば、
あの佐久間象山の最後の描かれかたは
みなもと太郎先生の影響を
受けているような気がしましたねえ。
ま、実際はどうだか知りませんけど。
最後、笑ったじゃないですか、石坂さんが。
あれ、『風雲児たち』っていうか、
みなもとマンガですよねえ。
永田 「かわは、『さんぼんがわ』のかわか?
 それとも、『さんずい』のかわか?」
糸井 あれ、よかったよねー。
ふたり よかったですねえ!
西本 じつは、ぼくと糸井さんは、
あの場面を、石坂さんから
直接聞いて知ってたんですよ。
「この前、こういう撮影をしたんだ」って。
永田 あ、そうだったんですか。
糸井 石坂さん本人も、あの演出は
すごくおもしろがってたよね。
西本 ええ。
糸井 このところさあ、
捨助にも会ったし、坂本竜馬にも会ったし、
『新選組!』づいてるよな。
西本 ほんとですねえ。『トリビア』では
武田観柳斎にも会いますし。
糸井 あ、照英も会ってるよ!
えらいことですね。
おれたち幕末にいるようなもんだね。
永田 そんなわけないでしょう。
西本 そういえば、香取くんにも
先日会ったばかりじゃないですか。
糸井 おおっ、近藤勇にもね!
あとはキョンキョンとかね!
永田 キョンキョンは関係ないでしょう。
糸井 じゃあ、「キャシャーンの母」とかね!
西本 日曜日、いらっしゃいましたね、
「キャシャーンの母」!
永田 あっ、あれ、すげえびっくりしましたよ。
「キャシャーンの母」はいないから、
って糸井さんから聞いてたのに、
「ピンポーン」って押したら、
「はぁーい」って「キャシャーンの母」が!
糸井 「キャシャーンの母」は
予定より早く帰ってきたんだよ。
永田 それを言ったらうちの妻が
うらやましがるうらやましがる。
「糸井さんち行ったら樋口さんが」
‥‥じゃなくって、
「キャシャーンの母がいてさあ」って話したら
「うっそー!」って。
糸井 「キャシャーンの母」は、どうも、
そういうふうにありがたがられますねえ。
それはちょっとどうかと思いますよ。
みんな、値打ちをつけすぎますよ。
「糸井さんがいてさ」ってことでも、
もっとうらやましがれよ!
永田 あはははははは。
西本 うちのヨメもそうとう緊張してましたよ。
永田 やっぱ、緊張感が違うよね。
糸井 それがどうかと思うんだよ。
もっとオレで緊張しろよ!
永田 糸井事務所に入ったことで
友だちにうらやましがられるのが、
「生クサカベ」を聴けたことと、
「キャシャーンの母」に
お茶を出してもらったことですから。
西本 あ、それは効くわ!
糸井 お茶出しただけじゃないか!
みんな、ありがたがりすぎなんだよ。
「着物が似合う人」だって、
もっとほかにたくさんいるだろう。
なぁ〜にが、「透明感」だ!
ふたり (爆笑&拍手)
糸井 ‥‥どうも今日は脱線しがちですが。
西本 あ、ひとつ言わせてください。
久坂玄瑞の演技には
ぼくは引き込まれましたよ。
糸井 あ、そうですか。
永田 例によって知らないんですが、
あの人は、有名な人なんですか?
西本 池内博之さんという方なんですけど、
失礼ながら、いままでは
チャラチャラしてる、いい男、
くらいの印象しかなかったんです。
いや、なめてました。よかったです。
糸井 あなたは、そういう、
チャラチャラした人が本気みせることに
弱いですよね。
西本 ええ。そういうのが好きなんです。
元木が思わずヘッドスライディングする、
みたいなことに弱いんです。
永田 いえてる、この人。
糸井 っていうことは、
ふだん、あえてチャラチャラしておいて、
ヘッドスライディングしてみせたら
西本さんに好かれるっていうことですか。
永田 対西本さん対策としてはそのようになりますが、
この人、そういうふうに
「計算して行動している人」をかぎ分ける能力は
すっごく高いんですよ。
西本 そうそうそうそう。
糸井 「そうそうそう」って(笑)。
永田 「あのヘッドスライディングはポーズですわ」
みたいなことを言い当てるんですよね。
なんなら、チャラチャラしてる人を見るだけで
「こいつ、どっかでヘッドスライディング
 してみせるつもりなんですよ」
くらいのことを言いますからね。
それがまた、当たってたりするんですけど。
糸井 感じわるいね。
永田 感じわるいですよ。
西本 そんなぼくが心を動かされたんだから、
池内さんはほんものですよ!
糸井 なるほど。ええと、永田くんは今回、
ドラマに対する発言が少ないですね。
永田 うーん、あの、ここまでが、
「池田屋事件」に向かって
すごいテンションで来ましたから、
ちょっと、早足だったというか、
あえてそういう回にしたのかな、
という印象がありました。
ここ数回、狭い場所、短い時間を
すごい濃さで描いてたじゃないですか。
チャンバラひとつにも肉体性があって。
今回はその、規模が大きかったですから。
糸井 どっちかというと、肉体性よりは
セリフの展開でみせる回だったね。
永田 そうなんですよ。
だから、よかったのは石黒賢さん。
肉体の動きがなくても、
セリフとか表情とかアップとか、
いわゆるお芝居のくくりで
しっかり見せてくれる人は
安定してて、よさが発揮されたというか。
今回は石黒さん、すごいよかったと思いました。
西本 糸井さんは、ドラマ自体はどうでしたか。
糸井 今回は、捨助の描きかたですねえ。
見事な狂言回しっぷりでしたよ。
あの、重要な場面の縁の下にいても、
観てる側は、ふつうに受け入れちゃうでしょ?
あれって、そうとうたいへんなことですよ。
西本 「ここ、どこぉ〜?」「蛤御門かぁ」
なんていうやり取りがあったりして。
永田 オッケーなんですよねえ、あれが。
「説明的」みたいに感じなかった。
あれって、見事なサービスですよね。
糸井 我々3人の傾向として、
ああいうドラマのフィクション性は
決してイヤではないんですよね。
永田 ええ。一貫してさえいればいいです。
とくにぼくは、ああいうところは好きです。
これ、また聞きかじった知識で恐縮ですけど、
捨助は、史実では京都にいないらしいですね。
いったん京都まで来たんだけど
多摩に追い帰されてしまったっていう、
それだけの人だったみたいです。
糸井 つまり、捨助の存在には
三谷さんのフィクションが
込められてるってことですね。
永田 ええ。今後がたのしみです。
糸井 あと、聞きかじったといえば、
読者のかたからメールで
いいことを教えてもらいましたよね。
あの寺田屋の鼻血の場面は、
ずっとまえの回で、
沖田総司のお姉さん、つまり
沢口靖子さんが同じことをやって、
斎藤一をかくまったという。
永田 ああ、読みました読みました。
2月くらいに放送された回だったとか。
ありがたい報告でした。
西本 最初から観てた人は、
伏線が活きてニヤリとするところなんですね。
情報、ありがとうございます!
永田 あの場面は、久々に近藤勇の
人間味のあるところが見られてよかったです。
あそこだけ「話のわかる近藤」でしたから。
糸井 よかったですよね。
ニヤっと笑ってね。
西本 あの宿は、きっとまた出てくるんですよね。
なにしろ、寺田屋ですから。
糸井 完全に伏線ですよね。
お登勢さんの顔見せ、という感じで。
西本 『ガンダム』のマチルダさんの声の人ですよね。
永田 あ、そうなんですか。
西本 ええ。戸田恵子さんです。
糸井 なんですか?
永田 『ガンダム』のネタです。
あなたは『ガンダム』とか『タッチ』とか、
ときどき、らしくないネタを持ち出しますね。
西本 意外性を狙ってますが、
効果はいまひとつです。
糸井 それはさておき、
戸田恵子さんっていう人は、
歌も歌うし声優もするし芝居もするし。
すごいね。万能だね。
西本 このまえ、テレビで
『六本木心中』を熱唱してましたよ。
糸井 やっぱ万能じゃん。
西本 万能です、万能です。
糸井 いや、驚きました。
永田 戦火のなかの、
はしのえみさんはどうでしたか。
なかなかキレイだったと思うんですが。
西本 いや、永田さん、
あれは逆光マジックですよ。
永田 「逆光マジック」!
そんなマジックがありましたか。
糸井 まあ、それだけ効果的だったってことだね。
西本 そうですね。
永田 あの場面でいうと、
ちょっとまえのところの
左之助の行動が気になったんですよ。
まさちゃんを助けに行くのはいいんだけど、
それをああやって近藤に進言するのは
どうかなあ、と思って。
糸井 あ、それは思った。
永田 新選組分裂への暗示かなあとも思いましたが、
それにしてもな、って。
たとえば、まさちゃんが気になって、
つい、隊列を離れて走り出してしまった、
とかなら納得できるんですけど。
糸井 うん、あそこだけは
ちょっと首をかしげたね。
あれだと、左之助がほんとうに
バカみたいになっちゃうからね。
とはいえ、まあ、そんなところは、
些細なことで、全体としては
混乱のなか、いよいよ幕府が危うい感じで、
これからがたのしみでもあり、
ツラそうでもあり‥‥。
西本 また、来週の予告がヤバそうでしたよ。
永田 「第30回 永倉新八、反乱」!
糸井 いやぁ〜、もう、
タイトル聞くだけで切ないよねえ‥‥。
西本 切ないッスねえ。
永田 ぐっさんは、っていうか永倉新八は、
いなくなってほしくないなあ。
糸井 いてほしいよねえ。
西本 切ないッスねえ。
永田 そういや、あの、27時間テレビの
「カマ騒ぎ」、観ましたよね?
糸井 とうっぜんじゃないですか!
西本 最高でしたね!
糸井 最高でした。
永田 最高でした、が、それはおいといて、
あそこで、ぐっさんが
オカマのメイクしてたでしょ?
そこで我ながら驚いたのが、
「永倉新八なのに!」って思った(笑)。
西本 のめり込みすぎ(笑)。
永田 いやあ、自分のなかで、
ぐっさんはいま
永倉新八なんだなあって痛感しました。
糸井 なんにでも欲情する永倉新八(笑)。
西本 料理番組観ながら
「興奮してきましたわァ」
って言う永倉新八(笑)。
永田 来週、どうなっちゃうんだろう。
糸井 あと、別の番組の話が出たついでで
言っておくと、月曜9時の
『東京湾景』っていうドラマが
なかなかよかったですよ。
石坂さんが出てるんで観てみたんですけど、
わりと、おすすめです。
西本 あ、そうですか。気になってたんです。
永田 ついでの話に便乗すると、
日曜日の夜中にドキュメントで、
「三菱自動車のリコール隠し」を
やってたんですけど‥‥。
糸井 ああ、観た観た観た!
西本 すっごいおもしろかったですよね。
永田 えっ、ふたりとも観てたんですか。
西本 ちょうど昼間に
糸井さんとその話、してたんですよ。
糸井 あれはすごかったよねえ。
ドキュメンタリーなんだけど、ドラマ仕立て。
ああいうのはもっと観たいねえ。
永田 そっか、みんな観てたんだ。
ま、そういう報告をしようと思って
言っただけなんですけど。
西本 基本は『テレビガイド』ですから、
そういう情報も入れ込んでいきましょう。
糸井 うん。ここのところ、
あまりにも『新選組!』が濃かったんで
ぼくらも突っ走りましたけど、
基本はいつものように
ゆるゆる行きましょう。
永田 そうですね。
西本 てなわけで。
糸井 それじゃあ、また来週! 
ヘゲモニー!
ふたり ヘゲモニー!


ほぼ日テレビガイド
〜女子の部〜



ゆーないと
ヘゲモニーは‥‥。

モギコ
無視。

ナカバヤシ
同感です。

ゆーないと
はい‥‥。

モギコ
そんなことより、男子部の言い分には
きっちり反論したいところがありますよ。

ナカバヤシ
ひょっとして‥‥。

モギコ
左之助とまさちゃんのことよ!
今回、唯一のステキなシーンじゃないか!
まったく男子のやつらは‥‥。

ナカバヤシ
あいや、モギさん、
その先は私に言わせてつかぁさい。

モギコ
口調に違和感がありますが、
お譲りいたしますわ。

ナカバヤシ
男子部は、
恋愛模様に興味がなさすぎ!

モギコ
おっしゃるとおり!

ゆーないと
れ、れんあいもよう‥‥。

ナカバヤシ
あの人たち、
「恋愛場面が入ることによる効果がうんぬん」
みたいなことはくどくど語るくせに、
恋愛模様そのものには無関心!

モギコ
そーなんだよねー。
左之助が後ろから抱きかかえるところなんて
よかったじゃん、よかったじゃん。

ナカバヤシ
前から走ってきたのに、
抱きかかえるのは後ろから!

モギコ
いやらしさ排除の見事な演出!

ナカバヤシ
こう、走ってきて、こう!

モギコ
こうきて、こう!

ゆーないと
‥‥こっちの人たちもだいぶ変だな。

モギコ
まあ、池内博之さんの演技を
ほめてるところは認めてやるが。

ナカバヤシ
ところでゆーないとさんは
どこがよかったですか。

ゆーないと
あたしは、沖田総司が、
医者に行くところで‥‥。

モギコ
ああ、藤原さんは
あいかわらずキレイでしたねえ。

ナカバヤシ
たしかに、たしかに。
ウチワでもつくりましょうか、藤原さんの。
見積もり取りますよ?
業者、紹介しますよ?

モギコ
つくらなくていいって。
で、あの場面の?

ゆーないと
‥‥医者のおっちゃんがよかった。

ふたり
おっちゃんかい!


ほぼ日テレビガイド
〜美術部〜

2004-07-30-FRI


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