おいら。
with ほぼ日テレビガイド
〜天海祐希主演『離婚弁護士』を見る夕べ〜
撮影現場の天海さんを直撃! そして?


いやはや、思わぬ展開になってまいりました。
じつに慌ただしく、原稿を書いております。
申し遅れました、私、
「ほぼ日テレビガイド・男子部」の永田と申します。

さて、なにをばたばたとしているのか、
それを説明するためには
数週間前にさかのぼらなくてはなりません。

ある春の日に、darlingこと糸井重里は
テレビ局を訪れました。
人気番組、『トリビアの泉』の収録のためです。
ご存じの方も多いと思われますが、
この番組には毎週ひとり、
女優さんのゲストがいらっしゃいます。
その日のゲストは誰あろう、
我らが「おいら。」、天海祐希さんでありました。

「どうもどうも!」ってなやり取りが
ひとしきりあったのでしょう、おそらく。
なんせその場に僕はいませんでしたので
詳しい状況は描写できないのですが、
きっと、天海さんはお綺麗だったのだと思います。
それはもう、その場にいなくとも保証できます。

互いに近況などを交わすうち、
話は天海さんが主演するドラマ、
『離婚弁護士』の話になったといいます。
ちなみにそれらの情報は、
居合わせた西本より聞きました。
彼もまた、「ほぼ日TVガイド・男子部」の一員です。

4月15日より始まるそのドラマにおいて、
天海さんは堂々主役をつとめます。
そこには偶然、番組のプロデューサーもいたそうで、
「ぜひ一度撮影現場に遊びにきてくださいよ」
ってなことになったのだそうです。
そこで、糸井重里はこう言ったのです。
「ああ、じゃあ、うちに
『ほぼ日TVガイド』班ってのがありますので、
 そいつらといっしょに行きますよ!」

そういったわけで、我ら男子部3名は、
『離婚弁護士』の撮影スタジオを訪れたのです。
それがつまり先週のことです。

「天海さんに会えるんだ、いいなー」
などと女子部のやつらにうらやましがられながら、
我々3名はうきうきとしておりました。
まさかそういった展開になるとは思いもせず。

そう、お調子者の我々はすっかり忘れていたのです。
我々3名は、
「スポーツとお笑いにしか興味がなく、
 とくにドラマはちっとも見ていない」
というボンクラ3人組だということを‥‥。
うっかりそれをしゃべってしまったのは、
誰あろう、糸井重里その人でありました。

お忙しいさなか、撮影の合間をぬって
取材に応じてくれた天海さん。
楽屋で糸井と雑談するうちに、
話は意外な方向に展開していったのです。
現場で回していたテープを再生してみましょう。

天海祐希と糸井重里、
『離婚弁護士』と連ドラについて話す。


糸井 今日は朝からずっと撮影なんですよね?
お疲れのところおしかけまして、
すいません。
天海 いえいえ、今日はぜんぜん疲れてないですよ。
そんなにしゃべってないですもん。
糸井 あ、そうなんですか。
ということは、セリフが多くて
たくさんしゃべるときだと、
疲れるわけですか?
天海 そうですねえ。
長いシーンがあると、やっぱり。
糸井 宝塚のときは
いっぱいしゃべってたでしょう?
天海 うーん、でもあれは、
同じものを何度も何度もやりますからね。
覚えていくだけだから
そんなでもないんですよ。
糸井 リズムになっていくんだ。
天海 そうですそうです。
こういうドラマだと、その日1回限りだから
それを毎回、覚えて捨てて覚えて捨てて、
という作業がものすごくたいへんなんですね。
ずーっと続いていくと
覚える時間も少なくなっていきますから。
糸井 体力勝負だ。
天海 そうですね。
糸井 体力はあるほうですよね?
天海 体力はあるんですよねえ。
糸井 で、ドラマの手応えのほうはどうですか?
天海 おもしろいですよ!
糸井 おお、そうですか。
どうおもしろいですか。
といっても説明がむつかしいだろうけど。
天海 そうなんですよね。
あのね、よく感じるんですけど、
人が思う「おもしろさ」の基準って
すごく曖昧だと思うんですよ。
なんていうか、自分がおもしろいと思っても、
人が「おもしろくない」と言うと
それで弱まってしまったりする
部分ってあるじゃないですか。
糸井 うんうん。
天海 ひとつの基準として
「視聴率」っていう数字はあるけど、
それは点数じゃないでしょ。
でも、なんか比べる基準がないから、
けっきょく視聴率になるじゃないですか。
糸井 それについてはいま、
みんな違和感を感じていますよね。
つくる側からしても、見る側からしても、
一部の数字じゃなくて、
「お客さんがほんとうに
 おもしろいと思ったかどうか」
っていうところに
行くべきだと思ってるんですよね。
視聴率は低かったけど、
「おもしろい!」と思った人が
たくさんいる番組ってありますからね。
そういうのばっかりになれば
ほんとうにいいですよね。
天海 そうですよね。本当に。
糸井 もちろん、始まるまえなので
視聴率はわかりませんけど、
『離婚弁護士』は、おもしろいという予感が?
天海 します。します。
台本がものすごくよくできてるし、
なによりね、登場人物の面々が
生き生きとしてるんですよ。
『離婚弁護士』ってタイトルですけど、
起こる出来事は離婚だけじゃなくて、
男女間のさまざまなことがテーマになってて。
糸井 法律もののおもしろさもありつつ?
天海 ありつつ、
それにまつわる人間の感情の行き来が
中心になっていて、
それによってクライアントも我々も
ちょっとづつ成長していくようなドラマです。
糸井 形式としては、1回で完結する、
読み切り連載みたいな感じですか?
天海 そうですね。
基本的には1話で1事件。
糸井 いま、撮影は何話目くらい?
天海 4話までいってます。
糸井 ってことは、もう、
天海さんの役はエリートじゃないんですね。
エリート弁護士が仲間の裏切りにあって、
急造弁護士事務所で仕事をするっていう
内容なんでしょう?
天海 そうそう、エリートなのは最初だけなんです。
いまはもう、ボロ事務所なんですよ。
裏切られる前の最初の事務所に
お金をつかってしまって、
資金がなくなったという設定なので。
糸井 そうそう、その設定をちょっと聞いて、
「あ、お金のつじつまを
 きちんと考えているのはいいドラマだな」
と思ったの。
天海 ああ(笑)、すごい視点ですね!
でもほんとうにそういうことは
細かく考えていますよ。
糸井 ドラマに限らないんだけど、物語において、
経済的つじつまが合うか合わないかって
ものすごく重要だと思うんですよ。
たとえばさ、変な物語だと、
「職はないけどオレはギターで生きるぜ!」
みたいなやつがフローリングの
ワンフロアに住んでたりするじゃないですか。
「どうかな、それは?!」って
ツッコミたくなるわけですよ。
細かいかもしれないけど、
ドラマ嫌いのぼくとしてはね、
そういうことが気になるんだよなあ。
天海 糸井さん、ドラマ嫌いなんですか?
永田 (‥‥あちゃあ)
西本 (‥‥あちゃあ)
糸井 ええっとね、ぼくらね、
今日、3人で来てるんですけど、
あの、「ほぼ日テレビガイド・男子部」
っていうことでね。
永田 (‥‥いやな予感)
西本 (‥‥いやな予感)
糸井 ぼくら3人とも、
すっごいドラマが苦手なんですよ。
天海 え〜〜〜〜っ!
永田 (あっちゃあ!)
西本 (わっちゃちゃあ!)
天海 (永田と西本をにらみながら)
どういうところが苦手なんですか?
永田 いえ、あの、しどろもどろ‥‥。
西本 その、つまり、へどもど‥‥。
天海 (糸井をにらみながら)
どういうところが苦手なんですか?
糸井 いや、あの、わかんないんだけど、
「さあ、春の番組改編で何見る?」
っていう話をすると、
いつもスポーツとバラエティーの
話ばっかりしてるんですよ。
ドラマの話はいっつもしわすれて
そのままになっちゃうんです。
なんなんだろうなぁ。
(永田と西本を見ながら)なあ?
永田 (愛想笑いしながら無言)
西本 (ひきつりながら無視)
天海 毎週続けて見るっていうのが
苦手なんですか?
永田 (挙手)
西本 (挙手)
糸井 (挙手)
天海 う〜ん。なんでだろう。
一気に見られないからいやなのかな。
話を忘れちゃうの?
永田 その、続きを気にしながら
1週間を過ごしたりするのが‥‥。
天海 いやなんですか?
永田 いえ、いやじゃないです!
西本 なんというか、最初の回と、
最後のほうだけ見ればだいたい‥‥。
天海 わかるから見ない?
西本 いえ、ぜんぶ見ないとダメです!
糸井 ぼくはね、見たりもするんですけど、
すごくハンパなところが気になるんですね。
さっきのお金のつじつまの話もそうですけど、
「騙すならちゃんと騙してくれよ!」
って思うんですよ。
ひねくれた言いかたをすると、
「ハンパに騙せると思っている
 お前の考えにはのらないぞ!」
みたいな気持ちになるんですよ。
天海 ああ、なるほどね。
でも、ツッコミどころがあればあったで、
人と話せるじゃないですか。
糸井 女の人はそういう見方ができるんですよ。
だから「ありえねー!」って、
ミカン投げつけたりしながら
女の子はドラマをたのしく見られるんですよ。
男はね、そういうとき投げるものがなくて
「もう見なくていいや」って思うんですよ。
いや、全員が全員そうだというわけじゃなくて、
だから、もう、『離婚弁護士』は見ますよ!
天海 ぜひ!
糸井 なあ!
永田 え、ええ!
西本 ぼくは見るつもりでしたよ!
糸井 今回はね、もうね、たいへんですよ。
見ます! みんなで!
天海 あ、じゃあ、
「今週はどうでしたか?」って
毎週、メールしよっと。
3人 あ、それは企画としておもしろい。
天海 見てくださいね。
糸井 見ますよ。しかもおれら3人、
和室に入ってみんなで観る。
永田 そして、語ると。
西本 毎週木曜、見て、語る!
天海 あ、いいですねー。
感想を話し合ってください!
3人 やりますとも!
天海 あの、こういう仕事って、
直接反応が届くことが少ないんですよ。
なかなか難しいのかもしれないですけど
なにかの方法で
「こういうふうに感じました」
って言われるとすごくうれしいんですよ。
一方的にこっちから
「見てもらいたい、見てください」
っていう宣伝はできるけれども、
実際に見てもらって、
いろんな意見をもらうことって難しくて。
糸井 じゃあ、及ばずながら我々が。
ドラマ嫌いなおれたちが!
永田 3人そろって!
西本 木曜10時のドラマに挑戦!
天海 よろしくお願いします(笑)。
糸井 見ますよね?
永田 ええ、見ます。
西本 初めての経験ですね。
始まる前のドラマを11回観るって
我々決めているんですからね。
糸井 ありえないですよね。
永田 食わず嫌いだったかもしれないですしね。
西本 もしかしたらものすごい好きなのかも。
糸井 はまると深い3人ですから。
そのあたりは保証します。
(ふたりに向かって)
語らなきゃな!
ふたり お、おう!


‥‥というわけなのです。
そうと決まったら、我々の結託は固いのです!
ええと、今後どういう展開になるかわかりませんが、
とりあえず、今夜は3人そろってドラマ鑑賞です。
天海さんもお忙しいでしょうから、
毎回反応が返ってくるかどうかわかりませんが、
なにかありしだい、ページに反映させていきます。
今後の展開にご期待くださいませ。それでは!


ほぼ日テレビガイド
〜女子の部〜



あやや
天海さん、綺麗だねー!!

りか
男子のやつら、うらやましい!

あかり師匠
おいおい、うちらの出番はこんだけか!
あのボンクラどもー!!


〜いろんな意味で、つづく〜

2004-04-15-THU


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