三谷龍二さんのあたらしい場所。[10cm日記]
 


11月23日 
白いペンキ
洗面所の窓は、元々あったものをそのまま使いました。
だから枠も、柱も古びた木の黒い色をしていて、
そこだけが和の感じを色濃く残していました。
その部分が、工事を進めるなかで
どんな風に見えてくるのか、
それがはっきりするまでは
どう処理するか判断しにくいな、と思っていました。
 
この連載でも、
「新しいところと古い部分が響き合ってくれれば」、
と書きましたが、
できれば残したいという気持ちもあって、
その響き合いが起きるかどうか、
を確かめたかったわけです。
 
しかし、和の古いものはそれ自体
強い印象を持っています。
白い大壁の空間を通って奥へ入っていくと、
そこだけ和の強い感じが、
容易には溶け合わないまま残っていました。
響き合う、というには、
ちょっと重い感じがあって
うまくいってないように思いました。
 
それで、洗面所の柱も窓枠も、
全て白く塗ることに決めました。
 
ちょっと時間が取れたので、ここは自分でやりました。
塗る、というのは、僕は大好きなので、
やりたくて仕方がなかったのです。
 
窓枠は、白く塗ったとたん、
それまでとはガラッと違う表情を見せてくれました。
どこか古い病院の窓のようにも見えます。
それまで重く感じていたそこの空気が、
これでずいぶん明るくなりました。
 
ペンキで白く塗る、ということは
思った以上に場の雰囲気を変える、と再確認しました。

2011-01-18-TUE

つぎへ
このコンテンツのトップへ
つぎへ